今夏の甲子園で県岐阜商(岐阜)の16年ぶりベスト4進出に大きく貢献した横山温大外野手(3年)が、推薦入試で地元の強豪・岐阜聖徳学園大学に合格したことがわかった。生まれつき左手の指がないハンディキャップを抱えながらも、驚異的な努力で名門校のレギュラーを勝ち取り、甲子園で何度も打撃と守備で好プレーを見せた。元中日ドラゴンズのレジェンド・近藤真市監督(57)の下で、4年後のプロ入りを目指して新たなスタートを切る。
甲子園を沸かせた「隻手のヒーロー」、地元で再出発
この夏、横山温大選手の名は全国に轟いた。岐阜大会で打率5割超えを記録し優勝に貢献すると、甲子園でも初戦から4試合連続安打をマーク。特に準々決勝の横浜高校戦では、フェンス際でのジャンピングキャッチというビッグプレーを見せ、守備でもチームを救った。「ハンディを感じさせない」どころか、それを武器にするかのようなパワフルなプレーは多くの感動を呼んだ。
「苦しみを乗り越えたからこそ、最高の舞台や結果が待っていました」。激動の夏を振り返る横山選手が選んだ次のステージは、地元・岐阜の岐阜聖徳学園大学だ。「まず地元でやっていきたいなと思っていた。地元で活躍した上で大学でも野球を続けたかった」と、郷土愛を胸に決断した。
元中日・近藤真市監督も惚れ込む才能
進学先を率いるのは、かつて中日ドラゴンズでデビュー戦ノーヒットノーランを達成した伝説の投手、近藤真市監督だ。今年2月の練習参加で横山選手のプレーを目の当たりにし、「守備は捕ってからが早く、スローイングもいい」と高く評価。「ハンディ関係なくみんなと同じ扱いにすると本人にも話したし、レギュラーを勝ち取ってほしい」と期待を寄せる。
横山選手もすでに視線を未来に向けている。9月の国スポ終了後からは金属バットを木製バットに持ち替え、大学野球への対応を進めている。「高校の時みたいに粘り強い精神で負けないぐらい練習して、レギュラーの座を最初から取れるように準備したい」。
「大学で活躍して、もっと上の舞台で活躍できる選手になりたい」。4年後、さらにビッグになった姿でプロの世界に挑戦するため、不屈の男の物語は第2章へと進む。
横山温大 プロフィール
- 氏名: 横山 温大(よこやま・はると)
- 所属: 県岐阜商高校(3年)
- 進路: 岐阜聖徳学園大学(東海地区大学野球連盟・岐阜リーグ)
- 出身: 岐阜県各務原市
- ポジション: 外野手
- 投打: 右投左打
- 身長・体重: 170cm、70kg
- 主な特徴や実績: 生まれつき左手の指がないハンディを持つが、攻守に高い技術を誇る。3年夏の甲子園では4番打者も務め、ベスト4進出に貢献。元メジャーリーガーのジム・アボット投手を参考にプレースタイルを磨いた。












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