第98回選抜高校野球大会第2日の第3試合。昨秋の東北王者・花巻東(岩手)は、智弁学園(奈良)の左腕エース・杉本真滉投手の前に打線が沈黙し、0-4で完封負けを喫した。1年夏から4季連続で名門の4番に座る主将の古城大翔選手(3年)はこの日、3打数無安打1四球と精彩を欠き、初戦で聖地を去ることとなった。「自分の弱さ、甘さ」を真っ向から受け止め、夏のリベンジを固く誓い、かつての怪物・清原和博氏(PL学園)以来となる「5季連続4番」への期待がかかる
智弁・杉本真滉投手の前に沈黙。85センチの木製バットで挑んだ「聖地の壁」
「真っすぐがうなりを上げてくるというか、分かっていても打てなかった(サンケイスポーツ)。」試合後、古城大翔選手は、智弁学園のエース、杉本真滉投手の投球に脱帽した。古城選手はこの冬、さらなる飛距離を求めて木製バットの仕様を変更。昨秋の明治神宮大会で使用していた83センチから、ヘッドを利かせて遠くへ飛ばすために85センチのモデルを選択して甲子園に乗り込んでいた。
しかし、この日はそれが空回りした。初回の第1打席では143キロの直球に三ゴロ。3回2死二塁の好機で迎えた第2打席では四球を選んだが、その後も杉本投手の緩急をつけた投球を捉えきれなかった。結果は3打数無安打。「外野に飛ばすこともできなかった(サンケイスポーツ)」と悔やむ通り、自慢の長打力は影を潜めた。主将としてチームを牽引しなければならないという責任感も、わずかな力みに繋がったのかもしれない。「上には上がいると感じた。まだまだの選手ということです(サンケイスポーツ)。」と話し、誠実に負けを認めて反省が込められていた。
清原以来の「4季連続4番」という重圧。父・茂幸氏の背中とOBへの憧れ
古城大翔選手は、1年夏から甲子園の舞台で4番を任されてきた稀有な存在だ。この記録は、1983年から85年にかけて5季連続で甲子園の4番を務めた清原和博氏に次ぐ快挙であり、そのポテンシャルの高さは誰もが認めるところだ。元プロ野球選手の父・茂幸氏を持ち、幼少期から高いレベルの野球に触れてきた。また、同校OBである大谷翔平選手(ドジャース)や菊池雄星投手(エンゼルス)という、世界で活躍する偉大な先輩たちの背中を追い、花巻東の門を叩いた経緯がある。
主将として迎えた今大会、父・茂幸氏からは「キャプテンとして周りを引っ張っていけるように頑張れ」と背中を押されていた。しかし、甲子園という魔物が潜む舞台では、これまでの経験さえも通用しない局面がある。エース左腕の萬谷堅心選手(3年)が10奪三振の粘投を見せるなか、4番として援護できなかった自責の念は強い。「今までの取り組みではダメ。応用問題を解くより基礎基本をやりたい。好投手を打っていかないと目標には届かない(スポーツニッポン)。」と語る古城選手。かつて父がプロで戦い抜き、OBたちが世界を驚かせたように、自らも「個の力」を極限まで高める必要性を痛感していた。
佐々木監督は「伝統を守りつつ進化したいので変えた。ぜひ勝ちたいと思っていたが。本当にまた夏に戻ってきたい(スポーツ報知)。」と話した。チームスローガンである「岩手から日本一」の達成への道のりはまだまだ厳しかった。しかし、古城主将にとってこの一日は、単なる敗戦以上の意味を持つはずだ。
【古城 大翔】 プロフィール
- 氏名: 古城大翔(ふるき・だいと)
- 所属: 花巻東高校(3年)
- 出身: 神奈川県(横浜市出身・都筑中央ボーイズ出身)
- ポジション: 内野手(三塁手・主将)
- 投打: 右投右打
- 身長・体重: 182cm、95kg
- 主な特徴や実績: 元プロ・古城茂幸氏を父に持つ、花巻東の主将で不動の4番。高校通算26本塁打。1年夏から4季連続の甲子園出場を誇る。今大会は85センチの木製バットで挑んだ。大谷翔平に憧れ、逆方向への長打も打てる右のスラッガーとしてプロからも熱視線を浴びる。













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