夢を諦めなかった男が、ついにプロの世界で衝撃的な投球を見せた。阪神タイガースの育成ドラフト1位ルーキー・工藤泰成投手が、横浜DeNAベイスターズ戦に登板し、球団の新人記録を塗り替える最速158キロの剛速球をマーク。2023年のドラフト指名漏れからわずか1年半、その苦難を乗り越え、プロ野球一軍のマウンドで輝きを放っています。
ドラフト指名漏れの5分後、独立リーグ挑戦を決断
工藤泰成投手は、東京国際大学時代に最速153キロのストレートを武器に、プロからも注目される存在だった。しかし、2023年のドラフト会議では、育成ドラフトを含めてどの球団からも指名を受けることはなかった。
しかし工藤投手は、ドラフト会議終了からわずか5分後、彼は父親に電話をかけ、「俺、徳島に行くから」と独立リーグ・四国アイランドリーグplusの徳島インディゴソックスへの入団を決意した。
徳島では、充実したトレーニング施設で徹底的に体を鍛え上げた。その結果、まるでボディービルダーのような分厚い体躯を手に入れ、球速は驚異の最速159キロまで向上。そして1年後の2024年ドラフト会議で、阪神タイガースから育成ドラフト1位で指名され、プロへの扉を開いた。
育成から支配下へ、そして開幕一軍入り
しかし、工藤投手の快進撃はこれで終わらない。新人合同自主トレや春季キャンプで、その圧倒的なストレートを球団首脳陣にアピールし続けた結果、球団は3月7日に異例のスピードで支配下契約を締結。育成ドラフト出身のルーキーとしては球団史上最速での支配下登録となりました。さらに、開幕一軍メンバーにも名を連ね、3月29日の広島東洋カープ戦で念願のプロ初登板を果たした。
衝撃の158キロ!観客もどよめく
そして迎えたこの日のDeNA戦。8回に3番手としてマウンドに上がった工藤投手は、対峙した3人の打者に対して9球を投げると、そのうち7球を投げたストレートは、全てが150キロを超えた。中でも、1アウトから佐野恵太選手に対して投げ込んだストレートは158キロを計測し、京セラドームの観客からは大きな歓声とどよめきが起こった。
工藤投手は158キロについて「狙ってはいなかったけど、しっかり腕を振る中で、球速が出ていたという面で良かった」と冷静にコメント。初登板となった広島戦では、2/3回を投げて3四球1失点と制球に苦しんだものの、この日のDeNA戦では、山本祐大選手を134キロのスライダーで見逃し三振に仕留めるなど、宮崎敏郎選手、佐野恵太選手といったリーグを代表する強打者たちを完璧に3人で抑え込んだ。
「何も変えることなく、やっていきます」と力強く語る工藤投手。大学4年からの驚異的な成長を遂げた彼のプロ野球人生は、まだ始まったばかり。これからも、その自慢のストレートで、プロ野球界を駆け上がっていく。



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