社会人野球の大阪ガス・秋山功太郎投手(23)が、JABA京都大会のHonda鈴鹿戦で圧巻のピッチングを見せた。9回をわずか90球で投げ抜き、しかも無四球での完封勝利、「マダックス」を達成した。広陵高校で宗山塁選手や渡部聖弥選手など、青山学院大で西川史礁選手、佐々木泰選手とチームメイトだったことを経験に、強打者に対する投球術を持っている。
90球での無四球完封!最速148キロ右腕が「マダックス」達成
秋山功太郎投手はこの日のHonda鈴鹿打線を完全に封じ込めた。最速148キロの伸びのあるストレートに加えて、「今日は直球に加えてフォークがよかった。三振を取れる球種が課題だったが、磨いてきたフォークが安定していました」と語るように、冬場に習得に取り組んだフォークボールが効果的に決まり、凡打の山を築いた。
9回を投げて許したヒットは散発の5本。自身の球を巧みに使い高い制球力も見せる。わずか90球で完封し、しかも四球を一つも与えなかった。「マダックス」を達成し、球威だけでなく、打者を打ち取る術、そして高い制球力がなければ成し得ない記録となった。
青学大、広陵高で切磋琢磨、強打者と好投手の中で
秋山投手のキャリアが注目される。広陵高校では、2022年に広島にドラフト5位で指名された河野佳投手や、昨年のドラフトで指名された宗山塁選手(楽天)、渡部聖弥選手(西武)、そして2023年に東京ヤクルトにドラフト3位で指名された石原勇輝選手がおり、その才能豊かな選手たちに囲まれながら、投手と捕手の二刀流としてプレーした。
そして青山学院大学では本格的に投手となるも、2023年にドラフト1位で指名される常広羽也斗投手(広島)、下村海翔投手(阪神)などがおり、自身のリーグ戦登板は3年春の6試合のみと、目立った存在ではなかった。「大学時代は何番手でもない立ち位置でした。みんな直球がよかったし、自分には彼らのような凄い変化球はないので、自分も真っすぐを磨かないといけないと思った」と話す。また、西川史礁選手や佐々木泰選手といったスラッガーもいた。
それでもレベルの高い環境で切磋琢磨した経験が、自身の成長への原動力となっている。また、捕手として多くの投手の球を受けた経験や、チームメイトの強打者と練習で対戦することで、打者心理を理解してきた経験も、現在の投球術に大いに活かされている。
昨年の悔しさバネに!「自分が一歩抜け出せるように」とチームを牽引
大阪ガスに入社1年目の昨年は、都市対抗予選前に右足肉離れで戦線を離脱し、チームに貢献できなかった悔しい思いを持つ。「これまでは“大宮さん頼み”だった」という状況から脱却するため、冬場は「自分が一歩抜け出せるようにと思ってやってきた」と話し、チームの中心となるべく自身のレベルアップに励んだ。その成果を見せることができ、今季は先発、中継ぎ、抑えとフル回転での活躍が期待される。
自身の目標である都市対抗野球大会、日本選手権での優勝に向けて、チームを牽引する存在となることを誓っている。プロで活躍する選手がいる中で培った経験を武器に、秋山投手の進化が注目される。そして、いずれ、同じ舞台でプレーするという想いを実現させるだろうか。
秋山功太郎投手 プロフィール
- 氏名: 秋山 功太郎(あきやま こうたろう)
- 所属: 大阪ガス
- 年齢: 23歳(2025年4月時点)
- ポジション: 投手(元捕手)
- 経歴: 広陵高等学校 – 青山学院大学 – 大阪ガス
- 投打: 右投右打
- 最速: 148キロ
- 特徴: 異色のキャリアを持つ右腕。最速148キロのストレートと、精度を上げた変化球が武器。捕手経験を活かした投球術と、安定した制球力が持ち味。

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