東都大学準硬式リーグ1部の中央大vs専修大の試合に、複数のプロ球団のスカウトが視察に訪れた。昨夏に152キロを記録した大山北斗投手が注目されているようだ。
興南出身、大学で成長
大山北斗投手は興南高校出身で、高校時代はインコースへの強いストレートとスライダーのコンビネーションを見せていたが、最速は141キロで甲子園出場も無かった。
大学進学時は関東の大学で硬式野球でプレーする思いもあったが、沖縄尚学出身の中央大準硬式野球部・小泉監督から誘いを受けて準硬式に転向した。すると、大学3年8月の全日本選手権準々決勝で152キロを記録した。
大山投手は「なんで速くなったのかわからないのですが、めちゃくちゃ走りました」と話すように、中央大では春、秋のリーグ戦中は日野市内の寮から八王子市内の球場までの往復10キロを走り抜るなど、練習以外にも毎日5キロから10キロを走って下半身が強化された。また、食事やトレーニングにより、身長が175cmから180cmに、体重も65kgから75kgに増えており、体に力がついた。
この日は初回に142キロのストレートをはじき返されてタイムリー2ベースヒットを浴びるなど、さらに暴投で1失点した。2回以降は144キロのストレートとフォークボール、チェンジアップを駆使してテンポアップした投球で無失点に抑えた。
8回4安打9奪三振2失点という結果に大山投手は「直球で様子を見ようとしたら甘く入ってしまって。連打が続いたので流れを変えられませんでした」と初回の投球を反省した。
今季は帝京大戦で9回3安打9奪三振で完封勝利を挙げており、この日は複数のプロ球団のスカウトが視察に訪れるなど、準硬式ながら注目をされている。準硬式野球からは、2023年にオリックスにドラフト5位で指名された高島泰都投手が、明治大の準硬式でプレーした後に社会人野球の王子で公式でプレーし、ドラフト会議で指名された。昨年はルーキーながら1軍でも好投を見せている。
他にも西武の大曲錬投手が福岡大の準硬式から2020年のドラフト5位で指名(現在は育成)されており、また帝京大の準硬式でプレーしていた鶴田圭祐投手が2016年のドラフト6位で東北楽天に指名(2019年に引退)されている。
大山投手は、「将来は社会人、プロ野球といったレベルの高いところを目指していきたい」と話し、高島投手のように将来的にプロの1軍で投げられる投手になりたい。

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