昨秋まで主に野手として出場していた京都産業大学の由上慶投手が、今春のリーグ戦で驚きの変貌を遂げプロ野球ドラフト戦線に急浮上している。2年春以来となるリーグ戦登板で自己最速を更新する149キロをマークし、強豪・大阪商業大学相手に力投。その潜在能力に、阪神タイガースを含む5球団のスカウトが熱い視線を送った.
ドラフト候補に急浮上!元野手が最速149キロ右腕へ転身
2025年4月14日に行われた関西六大学野球春季リーグ第2節2回戦(京産大vs大商大)で、由上慶投手は今春初登板初先発を飾った。結果は京産大が2-9で敗れたが、由上投手は5回1/3を投げて被安打2、3失点、5奪三振とまずまずの好投、そして自己最速を1キロ更新する149キロの直球を投げ込み、プロスカウトの目を引いた。
1-1の同点で迎えた6回に1死満塁を招いたところで交代となり、その後、救援投手が勝ち越し打を許して3失点となった。試合後、由上投手は「この日のために準備してきた。勝てなくて悔しいです」と振り返ったが、5回までに許した安打は春山陽登選手(大商大)に浴びた本塁打のみという好内容だった。
由上慶投手は、身長187cmの恵まれた体格を持つ右腕。大学入学当初は投打二刀流としてプレーしていたが、2年冬に腰を手術して以降は主に野手として出場を続けていた。しかし、「あと1年しかない。結果が欲しい」と強く感じた由上投手は、昨秋終了後に投手一本で勝負することを決意。冬の期間に徹底的にトレーニングを積んだ結果、最速は4キロアップし、149キロに到達した。
この試合が2年春以来、実に4季ぶりのリーグ戦登板だったが、この投球で一躍ドラフト戦線に浮上した。
スカウト評価:5球団が熱視線
この試合には阪神、オリックス、東北楽天などプロ野球の5球団のスカウトが視察に訪れれ、多くのスカウトをざわつかせるほどの印象を残した。
中日・山本将道スカウト:「体格もいい。これからが楽しみ」
楽天・足立スカウト:「上背があってボールに角度がある。球速も出ているし、そういう面で魅力的。これから見させてもらおうと思っている」
由上投手の最大の武器は、187cmの長身から投げ下ろす自己最速149キロを誇る直球だ。さらに鋭く落ちるスプリットも投げ、、長身から繰り出される球は角度があり、打者にとっては対応しづらい。
また、チェンジアップなどの変化球も駆使し、初回から三者凡退に抑えるなど、コントロールの面でも一定の評価ができる内容だった。本格派右腕としての素質を十分に備えている。
そして由上投手は「ドラフトにかかることしか考えていない」と今秋の指名を目標に定めており、残りのシーズンでさらなる成長を遂げることが期待される。
由上慶投手のドラフト展望
由上投手には、特に大型右腕を求める球団からの注目度は高くなりそうだ。ただし、4季ぶりのリーグ戦登板ということもあり、実戦経験の少なさは否めない。また、6回に四死球を絡めて崩れるなど、投球の安定感にもまだ改善の余地がある。
ただし、187cmの長身から繰り出される最速149キロの直球は魅力的で、また、大学最終学年での投手専念という決断というプロ入りへの思いの強さなど、潜在能力の高さと成長への意欲は高く評価される。今後、好投を続ければドラフト会議での指名の可能性が出てくるという評価だろう。3回戦は4月15日に同球場で行われ、由上投手にとっても次なる登板機会が訪れることが期待される。
由上慶(ゆかみ けい)投手 プロフィール
- 所属: 京都産業大学 4年
- 出身: 大阪府茨木市
- 経歴: 山手台サニーズ(投手) – 茨木ナニワボーイズ – 関西大倉高校(2年秋から背番号1)
- 投打: 右投げ左打ち
- 生年月日: 2003年(平成15年)11月3日(21歳)
- 身長・体重: 187cm・95kg
- 50メートル走: 6秒0
- 大学でのリーグ戦初出場: 2年春
2年時の怪我を乗り越え、野手から本格的な投手に転向した由上慶投手。大学ラストイヤーに賭ける彼の強い想いが、驚異的な成長を後押ししたと言えるだろう。「ドラフトにかかることしか考えていない」と語る。



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