東都大学野球リーグで、亜細亜大学の4年生左腕・山城京平投手が、その評価を急上昇させた。中央大との1回戦に先発すると、6回1/3を3安打無失点に抑え、チームを開幕3連勝に導いた。この試合では自己最速を3キロ更新する154キロをマークし、巨人のスカウト部長や千葉ロッテ、東北楽天、中日のスカウトが絶賛した。
自己最速154キロ!6回1/3を零封
しなやかなフォームから繰り出される剛球が、神宮球場のスピードガンを唸らせた。亜細亜大学の山城京平投手はこの日、初回に自己最速を151キロを更新する152キロを計測すると、4回にも152キロを記録、ネット裏で視察をしていたセ・リーグのスカウトのスピードガンでは154キロを記録した。
「結構、指にかかっていたので感触はよかった」と話すストレートは常時140キロ後半から150キロ台を計測し、6回1/3を3安打無失点、6奪三振という圧巻の投球を披露した。
「後ろに投手がいっぱいいるので信じて思い切り腕を振って投げました」と語る山城投手の言葉には、チームへの信頼と自身の成長への自信が滲み出ている。6回には151キロを計測するなど、疲れ知らずの高出力を維持し、チームの開幕から3連勝に貢献した。
プロスカウトも絶賛!巨人・水野部長「これからが楽しみ」
この日の山城投手の快投には、NPBのスカウト陣も唸った。
巨人・水野雄仁スカウト部長:「いや、凄いです。すばらしい投手。トータルで良い投手なのでこれからが楽しみです」
千葉ロッテ・榎アマスカウトグループディレクター:「左で150キロを超える投手はそういないので魅力」
東北楽天・部坂スカウト:「上位24人に入る」
中日・山田スカウト:「力むことなく余力をもって速い球を投げられている。投げる体力がある」
体のサイズこそ174cm72kgと大きくないが、それでこの出力を出せるのも逆に大きな魅力の一つとなる。ストレートだけでなくすべての球種も安定しており、東都リーグというレベルの高いリーグで実際に試合を作る能力もあり、ポテンシャルだけでなく即戦力として評価されていくことになりそうだ。
オリックス宮城投手を目標に!更なる高みへ
山城投手には、憧れの存在がいる。興南高校の2学年先輩にあたる、オリックスの左腕エース・宮城大弥投手だ。「動画を見て、どうやったらバッターを抑えられるか。感覚なんですが勉強になっている。憧れというか、尊敬しています」と語る。
宮城投手も身長が171cmと上背は無い左腕投手だが、ピッと伸びてくるストレートが、体重が81kgまで増えてくるとボリュームもついてきた。そして大小様々な変化球を織り交ぜるその投球術も、山城投手の参考となる。
この日は7回には1死満塁のピンチを招き降板した。「体が前に突っ込んで、修正ができなかった。それが今後の課題」と反省を口にするなど、現状に満足することなく、更なる高みを目指す姿勢を示している。
山城京平投手 プロフィール
- 氏名: 山城 京平(やましろ きょうへい)
- 所属: 亜細亜大学 4年
- ポジション: 投手
- 投打: 左投左打
- 出身: 沖縄県
- 経歴: 興南高等学校
- 最速: 154キロ
- 特徴: しなやかなフォームから最速154キロのストレートを投げ込む本格派左腕。変化球の精度も高く、緩急自在の投球で打者を翻弄する。興南高校の先輩であるオリックス・宮城大弥投手を目標に、プロ入りを目指す。
東都リーグでは、2023年のドラフト会議で1位指名が7人誕生し、その中で国学院大の左腕エースで埼玉西武に指名された武内夏暉投手が翌年にパ・リーグで10勝を挙げて新人王を獲得した。今年も東都リーグでは、東洋大の島田舜也投手、青山学院大の中西聖輝投手、日本大の市川祐投手、そして山城投手と同じ亜細亜大の齊藤汰直投手などが注目され、2023年の再来もと期待されていたが、山城投手の登場で更に厚みをましている。
高校卒2年目で13勝を挙げた宮城投手のように、山城投手もドラフト2位以内で指名され、来年の新人王候補となるようなそんな力と勢いを感じさせる。




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