東都大学野球春季リーグ戦、青山学院大が日本大との2回戦では、青学大のエースでプロ注目右腕の中西聖輝投手(4年・智弁和歌山高校)が登板し、本調子ではない中でも制球力を武器に力投。今季4勝目を挙げ、5連覇へ向けた首位・亜細亜大との直接対決に弾みをつけた。
本調子でなくても今季4勝目!制球力向上で四死球激減
青山学院大のエース、中西聖輝投手はこの日、8回1/3で130球で投げ抜き、5安打1失点、11奪三振の内容で今季4勝目をマークした。自身の投球について、「感覚的にはボール自体はそこまでいいボールはなくて、調子自体もそこまでいいわけではなかった」と話したものの、「低めに投げられた。集中力をもってコントロールよく投げられました」と、コントロールと集中力で日大を抑えきった。昨秋は8試合56回2/3で30四死球を与えていたが、今春は体が開かないように意識したことで、45回2/3でわずか10個と四死球が激減しており、制球力が向上している。今季既に3度目の2桁となる11奪三振を記録するなど、本調子でなくとも試合を作れる能力を示している。
またストレートもネット裏で視察をしていたスカウトのスピードガンで149キロを記録し、「スピードは、それなりに上がってきたと思います。」と話した。152キロ右腕だが低めに集める投球や変化球を織り交ぜた投球などで、智弁和歌山時代から経験豊富な投手で、勝てる投手として秋のドラフト会議では上位指名の可能性もある。特に、この日、投げあった日大の市川祐投手も東都リーグでは2年時からエースとして投げ、最速152キロを記録するが同じく投球術で勝てる投手として注目される他、東洋大の島田舜也投手も153キロを記録するが今季はやや調子が良くない中で、スライダーなどの変化球で勝ち星を挙げる投球を見せている。東京六大学・早稲田大の伊藤樹投手も最速151キロだが、変化球も含めたピッチングが総合的に評価されるタイプだ。
スカウトとしてはこの3投手が比較の対象となってくると思うがその中で、現在のプロ野球ではストレートの威力や質の高い投手が1軍で投げており、最終的にはプロでも真っすぐで勝負できるようなストレートを見せることができるかが、秋のドラフト会議で頭一つ抜け出すポイントとなってくる。
エースの自覚でピンチを乗り越える!主将の失策をカバー
この日の試合では、1回に打球が右太ももを直撃する場面や、立ち上がりが課題であることなどがあった中、そこを乗り切るとエースとしての強い自覚を持ってマウンドに立ち続けた。特に8回には、主将の藤原夏暉選手の失策で無死二塁のピンチを招いたが、ここでギアを挙げ、「あの場面は監督も常に言ってるんですけど、野手が出したランナーはピッチャーが返すなということを意識した。助け合いの中でキャプテンが出したエラーをエースがカバーする気持ちで投げた。チームとして大事なものっていうのを気づけた気がしたので、もう絶対にあそこは抑えてやろうっていう気持ちで投げた結果でした」と語るように、主将のミスを自身がカバーするという強い思いで後続を断ち切り、無失点でピンチを切り抜けた。「いい集中力の中で、長いイニング投げられる体力、精神力はついてきた」と、エースとしての風格が増していることを実感している。
5連覇へ向け首位決戦!「意地と意地の張り合い」
青山学院大は5季連続優勝を目指しており、次戦がその行方を大きく左右する首位・亜細亜大との直接対決となる。両チームともに勝ち点3で並んでいるが、青学大は既に2敗しており、もう一つも落とせない状況となっている。中西投手は、次戦への強い意気込みを語る。「もう一つも落とせない状況。勝たないと優勝はない。絶対に勝ち点を取るために、意地と意地の張り合い。勝ちにつなげられる投球をする。それだけです」と話し、ドラフト候補として注目されるエースが、チームの命運をかけた大一番でどのような投球を見せてくれるのか期待が高まる。
中西聖輝投手 プロフィール
- 氏名: 中西聖輝(なかにし まさき)
- 所属: 青山学院大 4年
- 経歴: 智弁和歌山高校 – 青山学院大学(昨秋ベストナイン)
- 投打: 右投右打
- 身長・体重: 180cm89kg
- 最速: 152キロ
- 特徴: ドラフト候補の本格派右腕。最速152キロの力強いストレートと高い制球力が武器。今季既に複数の完封勝利を含む4勝を記録。ピンチに強く、チームを勝利に導くエース。





コメント