阪神大学野球リーグの優勝決定戦が8日に行われ、大阪産業大学が関西外大に8-0、7回コールドで圧勝し、2008年秋以来、33季ぶり11度目のリーグ優勝を果たした。チームを牽引したプロ注目の小出望那主将(4年・大阪産業大学附)は、自らの打撃不振に苦しみながらもチームを全国の舞台へと導いた。
33季ぶりリーグ優勝、主将・小出望那捕手が牽引し全国切符掴む
大阪産業大学が、リーグ優勝のかかる関西外大とのプレーオフを制し、歓喜の瞬間を迎えた。主将としてチームをまとめ上げた小出望那選手は、優勝が決まった瞬間に満面の笑みで宙を舞った。優勝の味をじっくりかみしめ、「ほっとしている。実感がわいていないが、素直にうれしいです」と喜びを語った。これにより大阪産業大学は21年ぶり2度目となる全日本大学野球選手権への出場権を獲得。プロ注目の捕手が、チームを全国の大舞台へと導いた。
この日もこの日も阪神など7球団のスカウトが視察する中で行われた試合、優勝決定戦で小出望那選手は、3打数1安打1打点と勝利に貢献した。特に2回二死三塁の場面では、レフト前へ適時打を放ち、チームの大量得点の口火を切った。しかし、今春は39打数7安打で打率.179と打撃不振に苦しんだ。進路をプロ一本と明言したものの、打撃でアピールできない苦しい時期が続いた。
それでも主将としてチームを牽引し続けた。「結果が出ない中でも勝つことだけを考えた」と語るように、自身の個人成績よりもチームの勝利を最優先に考えてプレーしてきた。捕手としても、先発の高橋克弥投手を巧みなリードで牽引し、8安打を浴びながらも7回無失点に抑える好リードを見せた。捕手一筋で鍛え上げられたその能力は、2塁送球最速1秒75、遠投100メートルを誇り、大学日本代表候補に選ばれた経験もある。
そして170人もの部員を束ねる主将として、集合時間を早めた早朝会議や、練習後の手料理を囲んでの作戦会議など、チームをまとめるための改革も積極的に行った。市川哲也監督も小出選手に厚い信頼を寄せており、「一番、練習する。うちは小出のチームなので」と、キャプテンシーを高く評価している。
全国の大舞台でプロ入りを目標に「思い切りプレーしたい」
昨秋までにリーグ8連覇中だった天理大学を抑えて掴んだリーグ優勝は、大阪産業大学にとって大きな一歩となった。市川監督も就任1年目での優勝に、「1年目でこんな幸せなことがあっていいのか」とナインに感謝した。
次なる戦いは全国が舞台。小出望那選手は大学野球選手権について、「思い切って一打席、一打席やっていきたい。チームとして1勝できるように」と、チームを引っ張る主将としてプレーするとし、自信にプロ入りについては、「意識せずしっかり戦いたい」と話した。それでもやはり、大学野球選手権は12球団の多くのスカウトが視察をする場であり、また、侍ジャパン大学代表入りに関係する場でもある。この大会で持ち前の強肩、リード、そして打撃でも納得のプレーを見せてアピールしたい。
いずれにしても、困難と思われた全国の舞台にチーム導いた事は、主将としての力を示していることは間違いない。あとは全国の大舞台でどのようなプレーを見せてくれるのか、注目したい。
小出望那選手 プロフィール
- 氏名: 小出 望那(こいで もなく)
- 所属: 大阪産業大学 4年
- 出身: 大阪市
- 生年月日: 2003年(平15年)8月3日(21歳)
- 経歴: 西成銀河(小学2年~、捕手一筋)- バイキングジュニア(中学)- 大阪産業大学附属高等学校(1年夏背番号12、1年秋~背番号2)- 大阪産業大学(1年秋リーグ戦初出場、主将、大学日本代表候補経験)
- 投打: 右投右打
- 身長・体重: 175cm・85kg
- 二塁送球最速: 1秒75
- 遠投: 100メートル
- ポジション: 捕手
- 特徴: プロ注目の主将捕手。捕手一筋。優れたリードと強肩が持ち味。大学日本代表候補経験。打撃不振を乗り越えチームを33季ぶり優勝、全日本大学選手権出場に導いた。プロ一本を目標とする。





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