最速151キロを誇るプロ注目の右腕、京都産業大学の田村剛平投手(4年=報徳学園)が、神戸学院大学打線を相手に9回4安打10奪三振の無四球完封勝利を挙げた。これで春季リーグ戦4試合連続完投勝利と安定感を見せ、この日、視察をした阪神を含むNPB8球団のスカウトは、その完成度の高さを絶賛した。
安定感抜群の4連続完投、無四球10K完封でリーグトップの防御率
京都産業大学のエース・田村剛平投手は、神戸学院大学との試合で9回を投げ抜き、4安打10奪三振、そして無四球という内容で完封勝利を挙げた。これで今春のリーグ戦は5試合に先発して4試合連続完投勝利、防御率0.63とリーグトップの成績となっている。
この日も9回113球を投げ抜き、自身が「自信のある球で勝負している」と積極的にストライクゾーンで勝負をする。要所で緩急をつけて内野ゴロを打たせたり、三振を奪うなどメリハリのきいた内容で相手を翻弄した。
この日は阪神、横浜DeNAなど8球団のスカウトが視察に訪れ、
- 横浜DeNA・藤田スカウト:「ゴロを打たせたり、ストライク先行の投球でテンポよく、大崩れしないところがいい」
と評価した。
田村投手は報徳学園という強豪で大所帯の野球部の中で、「どうにかしてメンバーに入りたい」と模索しつづけ、「人と同じことをしていてはいけない」というポリシーに行き着いた。そして、高校時代から「低めに強い球を投げること」をテーマにその能力を高め、高校2年秋には背番号11でベンチ入りを勝ち取った。大学4年となった現在は最速151キロを投げ、抜群の安定感を誇る投手となっている。
最近のプロ野球では投手の完投は少なくなった。その分、5回6回までを抜群の球威で抑えるようなスタイルで、常時140キロ後半から150キロ台を記録する投手の評価も高くなってきている。それでも、プロ入り後は球威とともにコントロールの高さが、やはり1軍で投げるには最も求められるもので、また投手の投球の深さとして、これまで投げてきたその選手の歴史のようなものも投球に滲み出てくる。
田村投手のように「大崩れしない」タイプの投手は、評価は分かれる可能性はある。それでも、ストライク先行でテンポよくゴロを打たせる能力は、長いシーズンを戦い抜く上で重要な資質となる。これから、おそらく侍ジャパン大学代表候補合宿などにも呼ばれるのではないかと思うが、様々な場でどのような投球をするのかも注目したい投手で、今秋のドラフト会議に向けての評価の動きも注目される。
田村剛平投手 プロフィール
- 氏名: 田村 剛平(たむら ごうへい)
- 経歴: 報徳学園高校 – 京都産業大学(4年)
- 投打: 右投右打
- 身長・体重: 181cm84kg
- ポジション: 投手
- 最速: 151キロ
- 主な実績: 今春リーグ戦4試合連続完投勝利、防御率0.63(リーグトップ)、無四球完封、NPB複数球団スカウト高評価。

コメント