関西学生野球の春季リーグは第4節3回戦が22日に行われ、近畿大が立命大を4-1で制し、勝ち点3を獲得。立命大、関学大と勝率で並び、同率首位に浮上した。この試合ではプロ注目の俊足外野手、野間翔一郎選手(4年)が今春初の先発出場でマルチ安打を記録し、視察した5球団のスカウトの前で活躍を見せた。
体調不良を乗り越え、今春初先発で躍動
野間翔一郎選手は、大阪桐蔭高校出身で、50m5秒8を誇る俊足の左の外野手、また鋭い打球とを飛ばす姿はスラッガーとしての素質もあり、侍ジャパン大学代表候補にも1年時から選ばれるなど注目されてきた。しかし今春は、リーグ戦開幕直前の3月下旬にリンパ節に炎症が起きる「菊池病」を発症し、40度近い高熱が約1カ月続き、一時体重が10キロ減の72キロになるなど、厳しい状況に陥っていた。春季リーグ開幕後も練習できない日々が続き、「何をするにも気力がなかった」と話す。
しかし、5月中旬にようやく練習に復帰し、前節の関学大戦では代打で途中出場をすると、この日の立命大戦で、「3番・左翼」として今春初の先発出場を果たした。野間選手は、「ここまでチームに迷惑をかけてきたので、自分がチームを勝たせたいと思っていました。一発本番みたいな状況だけど、思ったよりも球が見えていたので良かったです」と話した。
しかしそんなことを感じさせないようなプレーを見せる。1-0の3回2死無走者の場面では、左中間へ二塁打を放ちチャンスを拡大させると、直後の適時打で生還し追加点を挙げた。さらに4-0の8回先頭では中前打を放ち、4打数2安打とマルチ安打を記録。チームの勝利に大きく貢献し、同率首位浮上の立役者となった。
「プロにしか興味がない」復活アピールにNPB5球団スカウト視察
その高い身体能力と秘められたパワーにプロも注目しており、この日も阪神、中日など5球団のスカウトが視察した。野間選手もプロ入りに強い思いを持っており、「プロにしか興味がない。この春に全てをかけていたので相当落ち込んだけど、もう落ち込んでも一緒だなと思った。やるしかない」と強い覚悟を語った。本格的に復帰して間もない状況でマルチ安打を記録し、二塁打などのパンチ力も見せたことで、プロのスカウト陣にとっても大きなアピールとなったことだろう。
俊足を活かして、やはりセンターを守ってほしいし、主軸としてホームランも見たい。この春は復帰できたことが大事なことだったが、これからはリーグ制覇して大学野球選手権でそのプレーを見せること、そして、体調次第で侍ジャパン大学代表候補として元気な姿を見たい。
野間翔一郎選手 プロフィール
- 氏名: 野間 翔一郎(のま しょういちろう)
- 生年月日: 2004年1月16日(21歳)
- 出身地: 山口県周南市
- 経歴: 遠石野球スポーツ少年団 – 山口東リトルシニア – 大阪桐蔭高校 – 近畿大学(4年)
- 投打: 左投左打
- 身長・体重: 180cm・80kg
- ポジション: 外野手
- 主な特徴: 50メートル走5秒8の俊足。俊足巧打の左打ち外野手。
- 主な実績: 今春リーグ戦で体調不良から復帰後、初先発でマルチ安打を記録。

コメント