札幌六大学野球春季リーグは23日、札幌モエレ沼公園で第2節3日目の試合が行なわれ、北海学園大学が北海道文教大学に11-9で勝利して3季ぶり11度目の優勝を決めた。プロ注目のエース・工藤泰己投手(4年・北海)など強力投手陣などの黄金世代が、全国の舞台で1979年以来46年ぶりの勝利を目指す。
0-7からの大逆転劇、打線爆発で掴んだ優勝
勝てば優勝が決まる大一番。しかし北海学園大は、1部初挑戦の北海道文教大を相手に序盤から苦戦を強いられた。1回に3点、3回にはソロ本塁打などで4点を失い、0-7と大きくリードを許す展開となった。
しかし4回、北海学園大打線は無死満塁から押し出し四死球などで4点を返すと、なおも1死満塁から4番・郡山遥翔一塁手(3年=札幌大谷)が走者一掃の2点適時二塁打を放ち7点差を追いつくと、続く5番・斎藤真吾右翼手(4年=北海)の犠飛で逆転に成功した。さらに2死三塁から、この日指名打者で出場の6番・井樫太希(3年=北海)がセンター前へ決勝の適時打を放った。この回、打者12人の猛攻で一挙8点を奪い、試合の主導権を完全に握った。
エース工藤泰己、“黄金世代”の結束で全国へ
9回、2点差に詰め寄られ、なおも2死満塁と一打サヨナラのピンチとなると、マウンドには前日に先発をしていたプロ注目の最速159キロ右腕・工藤泰己投手が登板した。花粉症の影響で万全ではなかったというが、「絶対に抑えて優勝したいという思いが出た」と気迫の投球。最後の打者をピッチャーライナーに打ち取ると、帽子とグラブを高々と投げ上げ、マウンド付近で歓喜の輪を作った。工藤は「うれしすぎてハイになった」と話した。
工藤投手、そして153キロを投げる高谷舟投手、リリーフ左腕の木村駿太投手など投手力が注目されてきた北海学園大だが、打線も非常に粘り強く、勝負強さを発揮する。杉林蒼太主将(4年=北海)は「2季連続2位の悔しい結果に終わった。今年こそはという気持ちだった。投手は力がある。あとは野手がどう点数を取るかが課題だったが、きょうは最高の形」と話し、序盤に7点差をつけられても追いつけると感じていたという。
46年ぶり全国白星へ、周到な準備と決意
北海学園大はこの春に、全日本大学野球選手権出場を想定して3月に関東遠征を実施。巨人3軍や西武3軍、社会人野球の強豪・東京ガスと対戦し、全国レベルを体感してきた。これにより、力をつけた特に野手が強さを発揮した。
そしてその関東遠征をした経験が、6月の大学野球選手権に生かされる時がきた。大学野球選手権では1979年に勝利を挙げて以来、白星を挙げられていない。159キロ右腕・工藤投手に非常に注目が集まることになると思うが、その中でまずは全国1勝を挙げて野手も力を見せたい。
工藤泰己投手 プロフィール
- 氏名:工藤 泰己(くどう たいき)
- 経歴:北海高校 – 北海学園大学(4年)
- 投打:右投右打
- ポジション:投手
- 主な特徴や実績:最速159キロを誇るプロ注目右腕。2025年札幌六大学野球春季リーグでチームを3季ぶり11度目の優勝、4年ぶり21度目の全日本大学野球選手権出場に導く。“黄金世代”と呼ばれる学年の中心選手。最終回のピンチを抑え、優勝を決定づける投球を見せた。高校時代は甲子園出場経験あり(登板はなし)。


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