東京六大学野球春季リーグ戦が神宮球場で行われ、明治大学のプロ注目左腕・毛利海大投手(4年=福岡大大濠)が法政大学打線を3安打1四球に抑え、リーグ戦初完投初完封の快挙を達成した。4季ぶりのリーグ優勝に王手をかけるとともに、自身もリーグトップタイの今季5勝目をマーク。ネット裏で視察した広島のスカウト顧問からは「プロでも通用する」と高い評価を受けた。
毛利海大投手、圧巻の111球でリーグ戦初完封!自己最速タイ150キロも記録
マウンド上の毛利海大投手は気迫に満ちていた。この日、自己最速タイとなる150キロを計測したストレートは「最後まで140キロ台後半だったので」と話すように、9回に入っても球威が衰えず147キロを記録。スライダー、チェンジアップなどの変化球も冴えわたり、法大打線から27アウト中14個のアウトをゴロで奪った。「変化球を低めに集めてゴロを打たせることができました」と振り返る通り、的を絞らせない投球で相手打線を翻弄した。
9回1死一、二塁の場面も、最後の打者を三ゴロ併殺に打ち取ると、111球での初完封勝利に「うれしい。凄く気持ちよかった。完投は高校以来でしょうか。久しぶりで気持ちよかったです」と笑顔を見せた。この快投で今季は5勝を記録し、防御率はリーグトップの1.32となった。
法政大の大島監督も「腕の出所が見づらく、タイミングが取りづらかった」と、毛利投手の投球に脱帽した様子だった。
広島スカウト顧問が絶賛「一皮も二皮もむけた。プロでも通用する」
この日の毛利投手の快投には、プロのスカウトも熱い視線を送っていた。
広島・苑田聡彦球団本部スカウト顧問:「春先のオープン戦はがむしゃらだったが一皮も二皮もむけた感じ。コントロールも良く、球持ちがいい。球の出所が一緒なので打ちづらいのでは。プロでも通用する」
と春先からの成長を認め、高く評価をした。
エースの自覚、チームを4季ぶりVへ導く
今季、背番号1を背負う毛利投手は、これで早稲田大学のエース・伊藤樹投手に並ぶリーグトップタイの5勝目を挙げた。しかし、個人の記録よりもチームの勝利を優先する。「チームが勝つことによって結果がついてくる。チームが勝ててよかったです」と、優勝へ王手をかけた一戦での快投を喜んだ。
明治大学が25日の2回戦で連勝すれば、4季ぶり44度目の優勝が決定する。毛利投手は「明日勝たないと意味がない。何とか投手陣で頑張ってほしい」と話し、同学年の高須大雅投手(4年=静岡)、大川慈英投手(4年=常総学院)といった強力な投手陣へ信頼を寄せた。
就任1年目の戸塚俊美監督も「とにかく一戦必勝で、目の前の試合を勝ちにいく姿勢に変わりはない。明日に向けてしっかり準備したい」と気を引き締め、木本圭一主将(4年=桐蔭学園)も「いつも毛利に頑張ってもらっているので打ててよかった。明日勝たないと意味がない」と、エースの力投に応え、優勝を掴み取る決意を示した。
毛利海大投手 プロフィール
- 氏名:毛利 海大(もうり かいと)
- 経歴:福岡大大濠高校 – 明治大学(4年)
- 投打:左投左打
- 身長・体重:178cm75kg
- ポジション:投手
- 主な特徴や実績:最速150キロのストレートを持つ本格派左腕。2025年東京六大学野球春季リーグ戦の法政大学戦でリーグ戦初完投初完封勝利を挙げ、リーグトップタイの5勝目、防御率1.32を記録。広島東洋カープの苑田聡彦球団本部スカウト顧問から「プロでも通用する」との高評価を受ける。福岡大大濠高校出身。


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