18Uワールドカップ、昨年の大会をおさらいし、今年のメンバーと比較する

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 18Uワールドカップがいよいよ明日開幕する。昨年は大谷翔平投手、藤浪晋太郎投手、北條史也選手、森友哉選手などがメンバーとしてプレーしたが、6位という結果に終わった。昨年の大会を振り返り、メンバーを比較してみる。

 昨年の大会結果

月日 対戦相手 先発 結果 概要
8月31日 カナダ 大谷翔平 ●5-6 大谷投手が3回1/3を投げて5安打3失点で降板した。田村龍弘、北條史也のタイムリーで逆転したが、5回を無失点とリリーフして好投した大塚尚仁投手が9回に同点2ランを浴びる。タイブレークでは攻撃でミスをして無得点、その裏、森友哉の捕逸でサヨナラ負け
9月1日 台湾 藤浪晋太郎 ○2-0 藤浪晋太郎投手が2安打完封、笹川晃平のレーザービームで守り勝つ。田村龍弘が3安打、高橋大樹のタイムリーで勝利。北條史也はノーヒットに2三振。
9月2日 パナマ 城間竜平 ○8-0 城間投手が7回3安打無失点。高橋大樹が2安打、笹川晃平が3安打で活躍。北條史也は9番降格も1安打1打点
9月3日 イタリア 神原友 ○7-1 神原投手が7回11奪三振と安定。田村龍弘、高橋大樹がマルチヒットと好調。北條史也、大谷翔平はノーヒット。
9月4日 チェコ 岡野祐一郎 ○7-0 岡野投手が5回4安打5奪三振無失点と安定。大谷翔平が2安打2打点と活躍
9月5日 コロンビア 藤浪晋太郎 ●0-3  エース・藤浪が5回3失点でまさかの敗戦、スライダーなど変化球についてこられた。
9月6日 韓国 藤浪晋太郎 ○4-2 藤浪が連投し9回で6奪三振、2失点完投勝利。相手バッテリーのエラーで得点を重ねて勝利。
9月7日 アメリカ 神原友 ●5-10 神原投手が4回2失点とまずまずも5回に登板した濱田達郎投手が1四球で交代、大塚尚仁投手が2回2失点。チームは相手バッテリーエラーや森友哉選手のエンタイトル2ベースを足がかりに2得点し5-4とリードする。
 7回から登板した藤浪晋太郎投手が150km/hの速球を見せたが、北條史也選手の2つのエラーでピンチを招き、タイムリーヒットを打たれると本塁で森友哉選手がタックルを受ける。その後に再びタックルを受けるなどした。8回には田村龍弘が捕手に入るも藤浪晋太郎のスライダーを後ろに逸らし2失点した。
9月8日 韓国 (5位決定戦) 大谷翔平 ●0-3 大谷翔平投手が150km/hの速球で7回12奪三振の力投もボークなどで2失点。打撃陣も細かい継投に3安打に抑えられ敗れた。

 

投手陣

 初戦のチェコ戦が雨で流れ、カナダ戦が初戦となる。そのカナダ戦で柱の一人と期待した大谷翔平投手が4回途中で降板し、また9回に同点に追いつかれて10回にサヨナラ負けと、最悪の立ち上がりとなり、チームがバタバタしだしてしまう。2戦目は藤浪晋太郎投手が好投し、城間、神原、岡野が好投するも、第2ラウンドは藤浪投手が3連投するなど、投手のやりくりがうまく行かなかった。

 理由としては大谷翔平投手がまだ実績が少なく、150km/hの球を投げるものの失点を許す投手だったため、1点を争う第2ラウンドで登板させることができなかった。また、濱田達郎投手は夏は調子が良くなかったものの素質を勝ってメンバーに入れたため、大会では打者1人しか登板できなかった事、さらに、城間、神原、岡野投手はそれぞれ好投手だが、第2ラウンドを任せるには信頼感が足りなかった。それにより藤浪晋太郎投手に負担がかかってしまった。

 昨年は甲子園で登板した投手をメンバーに入れたが、今大会は夏は調子が良くなかったものの、練習試合でも好投を見せた松井裕樹投手、さらに広島の決勝で好投を見せた田口麗斗投手などを加え、甲子園で安定したピッチングを見せた高橋光成投手、飯田晴海投手を、そして力の勝負で負けない安楽智大投手と、今の高校生で状態が良く、できる限りの投手陣をそろえたという印象だ。

 ただし初戦が大切、昨年の大谷投手のように松井投手が早い段階で降板することになれば、ローテーションは大きく崩れる。初戦のカナダ戦に全てがかかっていると言ってもいいかもしれない。

野手陣

 昨年は田村龍弘選手、森友哉選手、大谷翔平選手、高橋大樹選手、笹川昂平選手などが活躍したものの、主軸を期待した北條史也選手が絶不調となった。またホームランは1本も出ず、長打も少なく、パワーで劣る場面もあった。しかし一つのヒットをきっかけに犠打などを絡めて得点を重ね、日本らしいスタイルでプレーはできていたと思う。

 また守備面では捕手の森友哉選手に負担がかかり、内野手のエラーで失点した場面もあるなど守備面で課題が残った。アメリカ戦ではエラーでピンチを招き、森選手を潰され心が折れて10失点をしてしまった。外野手では大谷翔平や笹川昂平が活躍をしていた。

 国際大会ではディフェンスが大切だろう。今年は守備で安定している渡辺諒選手、奥村展征選手、竹村春樹選手、熊谷敬宥選手と二遊間を守れる選手を揃え、練習試合ではサードだった内田靖人選手をDHにし、渡辺諒選手をサードに据えるなど守備面を考えた体制を見せていた。

 攻撃では確かに日本では長打が通用する選手が揃うが、国際大会では逆方向に流したり犠打も絡めた攻撃が必要となるだろう。また昨年の北條選手のように不調になる選手もいると思う。それを周りの選手がカバーできるかどうかにかかる。

 不安な点というと、上林誠知選手の調子が上がっていない事、さらに捕手で若月健矢選手、内田靖人選手と森選手の3人態勢で、確かに捕手の総合力でも高いが打撃で目立つ選手といえる。森友哉選手が交代したときに、松井裕樹、田口麗斗、山岡泰輔などの鋭いスライダーを後ろに逸らさず取る事ができるかだろう。ここはプロのスカウトも注目しているし、相手チームも注目しているだろう。もし弱点が見えた場合、また森選手を狙ってくる可能性がある。

 昨年の代表メンバー

地区 高校名 選手名 甲子園 特徴 短評 評価
投手 大阪桐蔭 藤浪晋太郎 優勝 3年 197cm85kg 右右 153km速球で春夏連覇のエース!
花巻東 大谷翔平 3年 191cm75kg 右右 160km記録!
愛工大名電 濱田達郎 1回戦 3年 183cm88kg 左左 BIG3の左腕。不調も140km中盤記録 A
聖光学院 岡野祐一郎 2回戦 3年 178cm77kg 右右 正確なコントロールが武器 B
東海大甲府 神原友 ベスト4 3年 180cm85kg 右右 力強い140km中盤のストレート B
浦和学院 佐藤拓也 3回戦 3年 172cm74kg 右左 キレの良いストレートと変化球のコンビネーション B
九州学院 大塚尚仁 3年 174cm70kg 左左 7回15奪三振ノーヒットノーラン記録の左腕 B
捕手 光星学院 田村龍弘 準優勝 3年 173cm77kg 右右 甲子園2本の天才打者 A
智弁学園 中道勝士 3年 170cm74kg 右左 小柄ながら長打魅力 B
大阪桐蔭 森友哉 優勝 2年 170cm78kg 右左 左右に打ち分けホームランも2本、NO1捕手
内野手 光星学院 北條史也 準決勝 3年 177cm75kg 右右 甲子園で4本塁打記録の主砲 A
光星学院 城間竜平 準優勝 3年 172cm75kg 右右 スライダー武器に勝てる投手 B
日大三 金子凌也 1回戦 3年 180cm78kg 右左 初戦敗退も9回に意地の1発 B
大阪桐蔭 田端良基 優勝 3年 175cm83kg 右右 優勝チームの4番、甲子園2本 B
常総学院 菅原拓那 2回戦 3年 173cm70kg 左左 2試合に先発し初戦は7回途中まで好投 B
明徳義塾 伊与田一起 ベスト4 3年 165cm68kg 右左 3番を打つが堅実なセカンド守備で貢献 C
外野手 龍谷大平安 高橋大樹 2回戦 3年 181cm77kg 右右 1回戦で4安打記録、甲子園ではホームラン見せられず A
大阪桐蔭 水本弦 優勝 3年 177cm75kg 両右 3番を打ち済々黌戦で4安打記録 B
浦添商 呉屋良拓 3回戦 3年 178cm73kg 右左 3番を打ち、1回戦2安打、2回戦3安打を記録 C
浦和学院 笹川晃平 3回戦 3年 181cm78kg 右右 2本塁打に聖光学院・岡野から4安打記録 B

 

今年の代表メンバー

守備 高校 選手 特徴 短評 評価
投手 常総学院 飯田晴海 3年 175cm75kg 右右 甲子園で3試合に完投、準々決勝は9回まで無失点も熱中症のため降板 B
桐光学園 松井裕樹 3年 174cm74kg  昨夏に1試合22奪三振、1回2つ以上の三振を奪える今年の超目玉
瀬戸内 山岡泰輔 3年 172cm66kg 右左 甲子園では初戦敗退も高校生では打てないスライダーと145km/h魅力 A
新庄 田口麗斗 3年 170cm67kg  東の松井、西の田口と評価高い左腕、失点少ない投手 A
岩国商 高橋由弥 3年 176cm70kg 最速140km/hの速球とチェンジアップ等で打ち取る技術高い B
前橋育英 高橋光成 2年 188cm78kg 右右 夏の甲子園5完投、防御率0.36記録、きれいなフォーム魅力
済美 安楽智大 2年 186cm90kg 右左 愛媛大会で157km/h記録の怪物、甲子園155km/hも不調に終わる
捕手 花咲徳栄 若月健矢 3年 178cm82kg 右右 関東大会で2試合連続弾、120m弾にプロ注目 A
常総学院 内田靖人 3年 185cm87kg 右右 今大会2本塁打に座ったままセカンドへ送球の捕手 A
大阪桐蔭 森友哉 3年 171cm80kg 右左 昨年春夏連覇、全日本の捕手
内野手 仙台育英 熊谷敬宥 3年 173cm68kg 右右 50m6.0秒の俊足に強肩の遊撃手 A
聖光学院 園部聡 3年 182cm83kg 右右 昨夏、今春の甲子園でホームランを放つなど A
浦和学院 竹村春樹 3年 175cm71kg 右左 俊敏な動きと俊足の遊撃手、プロ注目 B
明徳義塾 逸崎友誠 3年 174cm70kg 右左 3番サードで出場し10打数3安打、大阪桐蔭を破る B
日大山形 奥村展征 3年 177cm65kg 右左 4番としてチームをベスト4に導く。遊撃手の守備も魅力 B
東海大甲府 渡辺諒 3年 180cm75kg 右右 自らのミスで山梨大会で敗れるも走攻守共にプロ即戦力
外野手 仙台育英 上林誠知 3年 180cm70kg 右左 明治神宮大会で満塁弾など130m超える飛距離にプロ注目 A
北照 吉田雄人 3年 178cm68kg 右左 昨秋19打数13安打を記録、今夏初戦敗退も2安打記録 A
日大三 森龍馬 3年 176cm80kg 右右 今夏初戦敗退も3打数1安打、主将としてチーム引っ張る B
延岡学園 岩重章仁 3年 183cm83kg 右右 4番ライトでチームを準優勝に導いた、プロ注目スラッガー B

 

 

この記事を書いた人
yuki

 1996年よりドラフト会議ホームページを解説し、30年間に渡ってドラフト候補選手の分析や12球団のドラフト会議の指名を分析してきました。
 雑誌「野球太郎(http://makyu.yakyutaro.jp/)」にも執筆。
 2008年からはドラフト会議に関する情報を毎日投稿しており、2024年時点で23,000以上の記事書いています。
 また、ドラフト候補の動画とみんなの評価サイト(player.draft-kaigi.jp)では、みなさまがおすすめするドラフト候補選手が、これまでに3万5千人以上登録されておりその評価も行っています。

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