巨人のドラフト2位の呪いは本当か?原因は巨人の補強スタイルにあり

巨人ドラフトニュース

 夕刊フジに「Gドラ2の”呪い”打ち破るのは誰だ」という記事が掲載された。巨人のドラフト2位に呪いがあるのは本当だろうか?

巨人のドラフト2位

 巨人のここ最近のドラフト指名は、読売ジャイアンツ、過去のドラフト指名一覧 の通りだが、ドラフト2位の選手を上げてみると、確かに微妙な成績となっている。

年度 2位指名選手 成績
2014 戸根千明(日大)
2013 和田恋(高知高)
2012 大累進(道都大) 2試合出場0安打
2011 今村信貴(太成学院大付) 16試合3勝2敗
2010 宮国椋丞(糸満高) 37試合13勝10敗
2009 鬼屋敷正人(近大高専) 2試合0安打
2008 宮本武文(倉敷) 登板なしで引退
2007大社 古川祐樹(明大)※3巡目 6試合登板で引退
2007高 中井大介(宇治山田商)※3巡目 113試合69安打
2006大社 上野貴久(NTT東日本)※3巡目 1試合登板で引退
2006高 田中大二郎(東海大相模)※3巡目 31試合7安打で引退

 

 今村投手は結果を出し始めており、宮国投手は早くより結果を出したもののその後低迷している印象を見せている。

 他球団を見ると、例えば2013年のドラフト会議でドラフト2位で指名された選手では福岡ソフトバンクの森唯斗投手や、中日の又吉克樹投手、広島の九里亜蓮投手が、2012年のドラフト2位では東北楽天の則本昂大投手、東京ヤクルトの小川泰弘投手、2011年には広島の菊池涼介選手が2位で指名されており目立っている。

 しかし、ドラフト2位は成績が下位の球団から指名していくウェーバーで、これらの選手は巨人の指名の前に既に指名されている。常にリーグ戦で1位や上位にいる巨人のドラフト2位が他の球団の選手より活躍できないのは、当たり前かもしれない。

 

巨人のドラフトは

 それでもドラフト全体で見て、各年の2番目に指名した選手が成績を残せないのは痛い。ただし巨人のドラフト会議の指名選手を見ると、ドラフト1位は菅野智之投手、小林誠司捕手、澤村拓一投手、長野久義選手、坂本勇人選手とチームの中心になりつつあり、大田泰志選手もいよいよ本格化しそうだ。

 しかし、2位以降の選手の活躍は、全体的にあまり目立っていない。2010年ドラフト4位の小山雄輝投手、2008年ドラフト4位の橋本到選手、また、ギリギリで高木京介投手、笠原将生投手くらいが挙げられる程度だろうか。

 巨人はドラフト2位にかかわらず、ドラフト1位選手以外の活躍は見られない状況にある。

 

チームの補強戦略が原因

 これはなぜかと考えれば、チームの補強戦力が影響していると思う。2011年のドラフト3位・一岡竜司投手は巨人では2年間で13試合に登板し0勝0敗0ホールドだったが、FAの人的保障で広島カープに移籍すると、2014年には31試合に登板し2勝2セーブ16ホールドを上げる活躍を見せた。

 また 巨人は2013年オフに片岡治大選手をFAで獲得した。2012年のドラフト2位で同じ内野手の大累進選手を指名しているにもかかわらず。他のチームだったら大累選手を我慢して使い続けて育てたかもしれないし、大累選手も他球団だったら50m5秒台の足でチャンスをつかみ、菊池涼介選手のような注目される選手になれたかもしれない。

 獲得している選手は、他球団が獲得する選手と同じ位の素質も力もある選手だと思うが、巨人は主力選手を他球団からFAで獲得することが多く、若手選手が下から這い上がる形になっていない。そのため、ドラフト1位選手はチャンスをもらえるため経験を積むことができ成績につながる選手もいるが、2位以下はチャンスを与えられにくく、経験も積めない事から結果につながらない。

 大田選手もドラフト1位だったから毎年わずからながらもチャンスをもらい、昨年の終盤にようやくそのチャンスをつかんだ。しかしドラフト2位以下での指名だったら、昨年終盤のチャンスを与えられたかはわからない。

 2位以下の選手でもチャンスを与えれば、それをつかむ選手はいるだろうが、常に結果を求められる巨人においては、チャンスが与えられる機会が少なそうだ。アマチュア選手には、巨人に指名されてもドラフト1位ならばいいが、2位以下だったら行かない方がいいとアドバイスしたいくらいだ。

 決してスカウトのせいでもなく、2軍のコーチや育成スタッフのせいでもない。巨人のチーム作りのスタイルが影響をしている。2013年のドラフト4位・奥村展征選手がFA補強の人的保障で東京ヤクルトに移籍した。2013年のドラフト2位・和田恋選手と奥村選手の今後を見比べてみるのも面白いかもしれない。

 

読売ジャイアンツ、過去のドラフト指名一覧 | ドラフト会議ホームページ2015 Draft home page

 

  ドラフト2位は、リーグ順位が下位の球団から指名していく逆ウェーバー方式で決まる。常勝軍団の巨人は不利な立場にあるが、3位以下で台頭した選手もいるだけに、存在感のなさが際立つ。

この記事を書いた人
yuki

 1996年よりドラフト会議ホームページを解説し、30年間に渡ってドラフト候補選手の分析や12球団のドラフト会議の指名を分析してきました。
 雑誌「野球太郎(http://makyu.yakyutaro.jp/)」にも執筆。
 2008年からはドラフト会議に関する情報を毎日投稿しており、2024年時点で23,000以上の記事書いています。
 また、ドラフト候補の動画とみんなの評価サイト(player.draft-kaigi.jp)では、みなさまがおすすめするドラフト候補選手が、これまでに3万5千人以上登録されておりその評価も行っています。

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コメント

  1. 球団が、呪われてるっ、!!

  2. そもそも総23巡目・24巡目あたりで指名される巨人の二位と他球団の二位を同列に比較する時点で話がおかしい。

  3. 呪いというより単純に選手本人の実力がないだけでしょ