横浜DeNAは2011年にDeNAがオーナーとなり、ドラフト戦略は高田GMと吉田スカウト部長がリードし、良くも悪くも監督の色が見えないドラフトだった。今年は三浦監督の色が見え、新時代を迎える。
DeNAの新時代
DeNAベイスターズとなり、高田GMと吉田スカウト部長のもとで、当時の中畑監督も1位指名選手が誰なのかを知らさせない、フロント主導のチーム作りが進められていた。
フロント主導のメリットは、比較的早い期間で交代する監督に比べ、長期的な戦略でチーム補強ができる事で、高田GMはDeNAのフロントは、ドラフト1位で、活躍できない選手を出さないうことが大切という方針だった。
DeNAも2012年の三嶋一輝投手、井納翔一投手から始まり、2014年の山崎康晃投手、石田健大投手、倉本寿彦選手で勢いづき、2015年の今永昇太投手、柴田竜拓選手、戸柱恭孝選手と現在の戦力を作っていく。
2016年の濱口遥大投手、2017年の東克樹投手、2018年の上茶谷大河投手と大学生投手の指名が続き、リーグでもAクラスとなり、CS、日本シリーズに出場するチームを作り上げ、何よりTBS時代のベイスターズを払拭した。
ドラフト1位だけが注目されるが、ドラフト2位は、2012年の三嶋一輝投手、2013年の平田真吾投手、2014年の石田健大投手、2015年の熊原健人投手、2016年の水野滉也投手、2017年に神里和毅選手、2018年に伊藤裕季也選手、2019年の坂本裕哉選手、そして2020年も牧秀悟選手を指名し、ドラフト上位でてってきてきな即戦力ドラフトを実施してきた。
それでも少しずつ変わっている。2018年10月に高田GMが退任すると、2019年に森敬斗選手が1位で指名された。昨年は入江大生投手が単独1位指名され、これまでの路線に戻ったが、今年のドラフト1位は高校生投手、そして競合確実の小園健太投手だった。
これまでラミレス監督は、選手の能力を評価し、確率を重んじてで起用をする。それがフロントの補強戦略とも合い、確率の高い選手を獲得してきたが、相次ぐ故障もあり、手厚く補強をしてきた先発陣もそれを支えられず、チームが低迷することになった。
三浦監督が現場の意見を持って出席するドラフト会議は、今年が最初となる。進藤編成部長の元でこれまで通り、フロント主導で進められたと見られるが、1位指名で小園投手の競合、そして三浦監督が抽選で獲得し、勝負に出て勝った形となった。無難に狙った選手を単独指名することも大切だが、球団職員やチームメイトが抽選を見て喜ぶ姿を見ると、ドラフトで勢いをつける事もできるのだと感じた。競馬など博打も好きな三浦監督らしい指名は、DeNAベイスターズの新時代の幕開けとなる。
投手の新時代
小園投手に加え、2位では佐藤隼輔投手や森翔平投手といった左腕投手が残った。これまで左腕投手を指名しつづけてきたが、早稲田大の徳山壮磨投手を指名し驚いた。
4位でも法政大の三浦銀二投手を指名し、高校、大学で実績のある右腕投手で、たしかに実力もある投手だが、球威などを見ると、他の投手の方が魅力的に映る所もある。
しかし、下記のtwitterの投稿をいただき、そのとおりだと思った
今年のベイスターズの投手指名は
コントロールをかなり重視してますね— ふうちゃん@神奈川県央 (@foocyan3777) October 11, 2021
その後、5位の深沢鳳介投手の指名を見ても、三浦監督の投手のスタイルらしい、コントロールの良い投手を選んだ印象を受ける。1位の小園投手も制球力の良い投手だ。
現在は打者のホームランを打てる選手、そして投手も150キロは越えることは当たり前で、さらに160キロに近いパワーの時代となっている。その中で、制球力を生かした三浦大輔投手がいたらどんな成績になるのだろうか、それをみせてくれそうな徳山投手と三浦銀二投手の指名だった。
もちろんこの二人も150キロの球を投げる。小園投手も150キロを記録したが、その後はさらに球速を追うのではなく、変化球も含めた総合力を高める投球を求めている。三浦大輔投手+150キロの速球で、160キロの時代とは別の道をみせてくれるかもしれない。
三原代表は「結果的に高校生の投手のNO.1で評価が一番高い選手、大学生で一番評価の高い投手2名を獲得できた。」と話した。



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