奄美大島にある大島高校が、センバツ出場濃厚となっている。最速146キロの速球を投げる左腕の大野稼頭央投手は、プロも注目するドラフト候補だ。
違うタイプのピッチングも
大野稼頭央投手といえば奪三振と言えるほど、キレの良いストレートとカーブ、スライダーが素晴らしく、昨年秋の九州大会・大分舞鶴戦では延長10回186球を投げ、16個の三振を奪った。この試合は引き分となったが、翌日の再試合でも9回を投げて12奪三振2失点で完投勝利を挙げている。
しかし、大野投手の真骨頂はこの次の試合にあった。勝てばセンバツ出場が濃厚となる準々決勝の興南戦でも完投したが、奪った三振は2つのみ、121球を投げて6安打無失点で完封した。三振を奪うだけでなく、打たせてとる投球で完封勝利をあげ、センバツ出場を濃厚にした。
3試合で467球を投げ、球数制限の1週間500球も近づいていたが、それも考えての投球だったのだろう。その後、準決勝、決勝は登板はなかったが、チームは見事に準優勝をした。
センバツではこの146キロ左腕が、どのような投球を見せてくれるのか、非常に期待している。


地元・鹿児島で行われた昨秋の九州大会。毎試合、奄美大島から大応援団が訪れた。1回戦の大分舞鶴戦は雨の中で先発し、力強い直球主体に延長10回まで186球を投げ、16三振を奪う力投。そして引き分け再試合の翌日も先発マウンドへ。この日は「生命線」と話すカーブに加えスライダーなど変化球中心の投球となり9安打を浴びたが、毎回の12奪三振で2失点完投。塗木哲哉監督は「いろんな(形の)ピッチャーに自分を変えられるところが彼の成長」と称えた。準々決勝の興南戦は6安打完封で「ほっとした。うれしかった」と涙がこぼれた。
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