センバツ大会に京都国際の代打として出場した近江、エースで148キロ右腕の山田陽翔投手は165球で長崎日大に延長13回2失点で完投勝利した。
高校生にしてはレベルが高い
4番投手で先発した山田陽翔投手は、最初こそ130キロ台だったストレートが、5回には最速となる146キロを記録するなど、今年のドラフト注目投手の力を見せた。変化球がまだ精度が良くなかったが、昨年秋は右肘の不安で投げられなかった所から、見事に復活をした。
「自分としては思った通りの投球ができた。感触も良かった。肘も全く問題なく投げることができた。競った試合を勝てたのは自信になります」と話す。延長に入ってもマウンドを降りなかった。多賀監督は辞退をした京都国際の森下瑠大投手の名前をあげ、「エースの森下君と山田が仲良くさせてもらっている。森下君の無念をしっかりここに持って投げてくれたんじゃないかな」と話した。
また高校通算30本塁打でこちらもプロが注目する打撃では、延長13回タイブレークの先頭打者で、ノーアウト1、2類の場面で打席に立つと、初球を鋭く振り抜き勝ち越しの打点を挙げた。「攻撃とは攻めること。初球からどんどんいこうと思っていた。うまく叩けてうれしい。負けるとは思っていなかった」と話した。
この日は12球団のスカウト陣が視察をしていたが、5球団の幹部クラスが評価をしている。
福岡ソフトバンク・永井スカウト部長:「直球もいいし、特に変化球の精度が高い。ツーシームやカットボールも使い分けて高校生にしてはレベルが高い。通用すると思います。
北海道日本ハム・大渕GM補佐兼スカウト部長:「真上から放る潔さもあり、力強い。体の強さも感じられる。よく考えて投げてもいるようにも見えましたね。」
東京ヤクルト・小川GM:「力のあるボールを投げられ、スピードも出ていた。変化球がもう少しかな。でもこの時期だから。これから楽しみな選手ですね。」
中日・松永スカウト部長:「直球にはもともと力強さがあったが、変化球もうまく使えていた」
横浜DeNA・河原スカウティングディレクター:「左打者には落ちる系、右打者にはスライダーを投げ分けられていた」
打撃でも注目されるが、山田投手は投手で勝負することを宣言しており、まずは昨年の右肘痛からの復活を見せた。今後、ストレートは150キロ台、そして変化球の精度も上げてゆき、夏にはドラフト上位指名を確定するような投球も期待できる。
ただ、まだ寒いこの時期に165球を投げたことで、センバツ後に調子を落とす投手も少なからずいる。ましてや急遽出場が決まる中でどれだけ準備ができていたかということもある。長い視点で成長する道を選んで欲しい。








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