夏の高校野球大阪大会は決勝戦が行われ、履正社の福田幸之介投手が大阪桐蔭を3安打に抑えて完封し、3-0で勝利した。最速は151キロを記録し、視察したスカウトから高く評価された。
ドラフト1位候補左腕と投げ合いに
「直接対決で倒してやると思い描いてきた。それが夢だった。現実になって良かった」と話したのは履正社の福田幸之介投手、大阪では1年時より大阪桐蔭の前田悠伍投手が活躍を見せ、ドラフト1位指名候補という高い評価を受けていた。履正社もこの前田投手とは1年秋から4度対戦しているが、全て敗れていた。
福田投手はそのライバルにもなっていなかった。チームの競争から抜け出せずにおり、今大会も背番号10と、前田投手の挑戦権を手にする所までたどり着いていなかった。しかし、センバツではようやく背番号1をつけ、この春に150キロを記録するなど大きく成長をすると、この日は安定感のあるエース左腕・増田壮投手ではなく、福田投手が抜擢された。高校野球での最後の対戦でようやく挑戦権を得た。
そして福田投手はすごかった。初回から140キロ後半の速球を見せると、最速は151キロを記録する。特に大阪桐蔭の左打者は、軽くバットを出して合わせるのがやっとという感じで、5回まで1安打無失点に抑える。
福田投手は長いイニングをあまり投げておらず、スタミナが課題で試合中盤は球速が140キロ前後まで落ち、6回には1アウト1,2塁のピンチとなった。しかし、ここそ三振とライトフライで無失点に抑えると、その後は再びテンポよく抑えてゆき、9回3安打7奪三振3四死球で無失点、8回6安打5奪三振3失点の前田投手を上回り、ようやく超えることができた。
スカウト高評価
視察したスカウトからも高く評価する声が聞かれた。
横浜DeNA・河原スカウティングディレクター:「ストレートは手元の直球の強さを感じる。手元で動くので、大阪桐蔭も捉え切れていなかった。四球で崩れず、ゾーンの中で荒れるイメージ。」
巨人・渡辺スカウト:「直球に強さがある。球に勢いを感じる。」
千葉ロッテ・三家和真スカウト:「パワータイプで、球速が出せる体の力、ポテンシャルがあるところが一番の魅力じゃないか。」
キレタイプの前田投手より、パワータイプという評価となったが、この日の投げ合いを見ると、左からの角度のあるストレートについては、まだ本調子ではないと思われる前田投手と同じくらい良かった。
福田投手には甲子園での投球がまっている。春からここまでの投球で評価はかなり高まっていると思うが、前田投手に比べるとまだ評価されている期間は長くない。甲子園で圧倒的なピッチングを見せられれば、前田投手と同等クラスという声が出てくるかもしれない。そのくらいプロのスカウトの前田投手に対する評価は高いと思う。






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