春季高校野球埼玉大会は準々決勝が行われ、花咲徳栄が熊谷商に勝利した。プロ注目の大型遊撃手・石塚裕惺選手は1安打の後に2つの敬遠で勝負を避けられた。
「それだけの雰囲気がある打者」
この日の打撃では初回、スライダーを芯で捉えて打球をレフト前に運ぶと、相手の隙をついて二塁を陥れる好走塁を見せた。しかしこれで相手が勝負を避け、3回2アウト2,3塁の第2打席は申告敬遠、7回2アウト1,3塁の第4打席でも申告敬遠でチャンスで打席に入ることもできなかった。
それでも7回には1塁ランナーとして、ショートゴロに「うまくスタートできました」と二塁に走り込んで野選を勝ち取り、これが先制点となった。3打数1安打2敬遠、第3打席にレフトフライとなったことに「やっぱり打ちたい打ちたいってなって、レフトフライに打たされてしまって。考えが幼稚で反省点です」と厳しい自己評価をしたものの、試合は4-1で勝利し、チームを勝利に導いた。
この日はプロ野球の幹部クラスが視察し評価した。
東京ヤクルト・小川GM:「2つの敬遠、それだけの雰囲気がある打者ですよね。バランスが取れていて将来が楽しみです」
埼玉西武・潮崎スカウトディレクター:「中距離ヒッターで、アベレージを残せるタイプになれると思います」
と評価した。
打撃でも守備でも確実性が石塚選手の特徴となる。高校通算22本塁打だが、しっかりと芯で捉え、ヒットの延長がホームランという感じで、毎打席ヒットが出る予感をさせる選手だ。また守備でも大きな体でフットワーク的にはもう少しと感じることもあるが、派手なプレーをせずに堅実に処理をしていく。
この日もグラウンドが前日の雨でぬかるんでいたことを考慮し、「瞬時の判断です。下が緩かったんで1個ずつ丁寧に、という部分で下からいきました。ミスなくできたのは良かったと思います」と話した。
この堅実さで、プロ野球では3番ショートとして打率3割を続けられるような選手になるだろう。そして入団する球団によってはホームランも15本くらいを長い期間打てる選手となりそうだ。

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