毎年、プロ野球ドラフト会議では将来のチームのエース候補として注目されるB-評価の高校生投手、前回紹介した3選手(石山愛輝投手、江藤蓮投手、富田櫂成投手)のうち江藤選手は侍ジャパンU18代表候補強化合宿で早速注目されている。今回も個性豊かで将来性が楽しみな逸材を3名紹介する.
楽しみなB-評価の高校生投手(抜粋)
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高橋友春投手(高松商) 「未完の大器」という言葉がこれほど似合う投手も少ないだろう。高松商には末包旬希投手や行梅直哉投手といった豊富な投手陣がいるため、まだ主戦として投げていない控え投手だが、とてつもないポテンシャルを秘めるのが、この高橋投手だ。181cm85kgの恵まれた体格から投げ込むストレートは、昨年11月のおかやま山陽との練習試合で最速152キロを計測した。
野球を本格的に始めたのは中学からとキャリアは浅く、腰痛での離脱経験もあるなど、まだ粗削りな部分が多い。今春の選抜ではほろ苦い全国デビュー(1/3回を投げ4安打3失点)となったが、それでも自己最速に迫る148キロをマークするなど片鱗は見せた。
実績は乏しいものの、長尾健司監督が「能力はすごい」と評するように、素材としての魅力は一級品。変化球の精度や制球力、そして経験値を積み重ねていけば、世代を代表する剛腕へと大化けする可能性を秘めている。まさにロマンの塊であり、今後の成長が非常に楽しみな投手だ。 -
吉田大輝投手(金足農) 兄は2018年夏の甲子園で「金農旋風」を巻き起こした吉田輝星(現オリックス)。その弟である金足農業の吉田大輝投手もまた、兄と同じ聖地を目指し、昨年夏、2年生ながらエースとしてチームを6年ぶりの甲子園出場に導いた実力者だ。178cm85kgと兄に負けない体格を持ち、ストレートは最速146キロを計測。得意のスライダーをはじめ、カーブ、チェンジアップ、フォークと多彩な変化球を操り、秋田大会では2度の完封勝利を挙げるなど、試合を作る能力の高さも見せている。
甲子園初戦では西日本短大付に敗れ(7回9安打5失点)、悔しさを味わったが、その経験が吉田投手をさらに強くする。兄と比較される宿命を背負いながらも、着実に投手としての階段を上っている。最終学年となる今年、心身ともにスケールアップし、兄を超えるような活躍を見せられるか。「みちのくの好右腕」の投球から目が離せない。 -
川畑秀輔投手(沖学園) 九州・福岡の強豪、沖学園で注目される右腕が川畑投手だ。投手としてはやや小柄の170cmながら、躍動感のあるフォームから投げ込むストレートは最速144キロを計測しており、最速は147キロとも言われ、「力のあるピッチャー」と評されている。小柄な体を目一杯使った、気迫あふれる投球スタイルが持ち味だ。
全国的な実績はまだ少ないかもしれないが、レベルの高い福岡県で実戦経験を積んでおり、体がさらに成長し、球速・球威が増してくれば、面白い存在になるだろう。変化球の精度やコントロールに磨きがかかれば、スカウトの評価も上がってくるはずだ。今後の成長次第で、ドラフト戦線に浮上してくる可能性を秘めた、九州地区の注目株の一人と言える。
B-評価とは何か?
ドラフト候補選手とみんなの評価では、ドラフト候補選手を独自の基準でランク付けしている。特にAランク以上は上位指名が有力、B+、Bランクは指名の可能性が高い選手とし、B-評価は「ドラフト会議で指名される可能性のある選手」としている。
しかし、昨年のドラフト会議では、北星学園大付の石田充冴投手(巨人4位)、福井工大福井の篠原響投手(埼玉西武5位)、千葉学芸の菊地ハルン投手(広島5位)、聖カタリナの有馬恵叶投手(中日6位)などが指名をされているが、篠原投手は高校生ルーキーながらすでに非常に高い評価をされている。
現在、当サイトがB-評価として評価している高校生投手は67名(4月10日時点)。全員を紹介することはできないが、その中から特に注目したい、個性豊かな数名の投手を紹介する。
これからもB-ランクの高校生投手の選手を紹介しますのでお楽しみに。


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