杜の都にも春の訪れを告げる仙台六大学野球リーグが開幕。3季連続優勝を目指す仙台大学が、宮城教育大学との初戦に臨んだ。この試合で、今秋ドラフト候補として注目を集める仙台大学の左腕エース・渡辺一生投手が先発し、4回を無安打無失点、圧巻の10奪三振という完璧な投球を披露。チームを10-0の快勝に導き、王者の貫禄を見せつけた.
4回10奪三振の衝撃:進化した変化球で打者を翻弄
渡辺一生投手はこの試合、初回からギア全開だった。持ち味のチェンジアップに加え、昨秋から重点的に練習してきたというスライダーのキレも抜群で、宮城教育大学の打者たちは全くタイミングを掴めなかった。4回を投げて許した走者はゼロ。アウト12個のうち10個が三振という、まさに圧巻の投球内容だった。
「投手王国」の自負:信頼できる後輩へのリレー
左手人差し指のマメがつぶれたため、4回でマウンドを降りた渡辺投手だったが、その表情に心配の色はなかった。「投手王国」と呼ばれるチームの層の厚さに絶対的な自信を持っているからだ。「仙台大の投手層の厚さは全国で1番だと思っています」と胸を張り、「後ろに信頼できるピッチャーがいるので、自分は任された回を全力で投げきることができています」と、5回からは1年生の田中稜真投手にマウンドを託した。
ドラフトイヤーへの覚悟:1位指名とチームの勝利を追求
ドラフトイヤーを迎えた渡辺投手は、プロ入りへの闘志を静かに燃やしている。オープン戦では結果が出ずに苦しんだ時期もあったが、昨季好調だった時の気持ちを思い返し、「昨年はチームのためにという気持ちが結果につながっていましたが、ドラフトを意識しすぎていました」と自己分析。今は再びチームの勝利を最優先に考え、「結果的にドラフト1位で指名されればいいなと思っているので、この『結果的に』ということを絶対に忘れずに投げたいです」と力強く語った。
「エースらしいピッチングで防御率0点台を目指します」と力強く語る渡辺投手。大学ラストイヤーとなる今シーズン、リーグ優勝、そしてその先にある「全国制覇」に向けて、エース渡辺一生投手がチームを牽引していく。
後輩たちの活躍:「投手王国」の未来も明るい
渡辺投手の後を継いだルーキーの田中稜真投手も、最速152キロのストレートを武器に3回4奪三振と好投。さらに、大学日本代表候補にも選ばれている3年生の佐藤幻瑛投手も2回4奪三振で試合を締めくくった。3投手によるノーヒットノーランリレーは、「投手王国」仙台大学の層の厚さを改めて証明する結果となった。
田中投手は、渡辺投手がこれまでつけていた背番号「14」を受け継ぎ、「一生さんの後が似合うピッチングをしていきたいです」と、先輩への憧れと自身の成長への意欲を語った。次々と好投手が出てくる仙台大、まずは渡辺投手が高い評価でプロ入りしてプロでも活躍を見せることで、後半に道を作ってゆきたい。優秀な後輩達も、エースの背中を追いかけていくに違いない。
プロフィールと特徴:最速152キロ左腕、「投手王国」を牽引するエース
- 経歴: 日本航空高校(山梨県)
- 投打: 左投げ左打ち
- 最速: 152キロ
- 特徴: 最速152キロのストレートを武器に、変化球の精度も高い本格派左腕。特にチェンジアップに加え、昨秋から磨きをかけてきたスライダーも大きな武器となっている。「投手王国」と呼ばれる仙台大学の投手陣を牽引するエースとしての自覚も強く、プロ入りへの強い思いを抱いている。今季から
- 先輩で師匠と仰ぐ川和田悠太投手のつけていた背番号「18」に変更し、に覚悟を示している。


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