昨年のセンバツ大会で石垣元気投手とともに2年生の左右エースとして投げ、見事に全国制覇を果たしたもう一人の主役・佐藤龍月投手が、6月に入ってからの練習試合での登板を目指しているという。
世代を代表する左腕
佐藤龍月投手は140キロ中盤のストレートに加え、高校生左腕ではトップクラスと評価される変化球があり、制球力についても高校1年時には安心して一試合を任せられるほどの能力を見せていた。昨年のセンバツでは、石垣投手とともに登板し、1回戦の学法石川戦、明豊戦、山梨学院戦と3試合に先発した。準決勝からはリリーフに回り、その星稜との試合では5−4と1点差の緊迫した終盤戦で2回をノーヒットで無失点に抑え、チームの全国制覇に大きく貢献をした。
しかし、1年時から投げてきた左腕は肘に負担もかかっており、昨年の夏に群馬大会で優勝に導いたものの、肘が限界を迎えていた。夏が終わってからトミー・ジョン手術を受け、今年の夏までの復活を目指してリハビリをしていた。
この日は春季群馬大会の2回戦が行われ、健大高崎は今年のセンバツ後の初試合となったが、佐藤投手の状況について青柳監督が説明をし、病院に連れて行きましたら、ピッチングはもうOKが出ました。ブルペンで5球とか10球とか程度から始めて、夏には間に合うんじゃないかと言われています」と見方を示した。
そして、「6月に入ってくらい」から練習試合で登板し、夏については、「完投は無理かもしれないが、短いイニングで少しずつ投げさせてあげたい」とした。
この春については、医師からは「外野の守備はもういいですと言われましので。外野で使ったり、代打で出したり」と話し、代打としてベンチ入りしたセンバツと同じようにベンチ入りをする。そして、打撃で出場する機会もあるかもしれない。
今年の高校生左腕投手では、昨夏の甲子園で優勝に貢献した京都国際の西村一毅投手が進学を明言し、150キロ左腕として注目される高蔵寺の芹澤大地投手も進学の可能性も考えられている。佐藤投手は「自分自身も最終的にはメジャーの舞台で活躍したいので」と話しており、将来的にはプロ野球、メジャーリーグという思いがあることは間違いないが、今年、プロ志望届を提出するのか注目される。
いずれにしてもこの夏にどのくらい投げられるのかが注目されることになるが、とにかく焦ることはせずに、じっくりと復活を目指して欲しい。そして将来のメジャーでの活躍のために、どんな進路を歩むのかに注目したい。

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