東都大学野球リーグで開幕5連勝と波に乗る亜細亜大学。その快進撃を支える存在として注目を集めているのが、3年生右腕の井上悠投手(県岐阜商出身)だ。開幕から5試合連続で救援登板を果たし、早くも4勝をマークしている。ピンチでこそ燃える「最強リリーバー」が、チームに勝利を呼び込んでいる。
開幕5連投で早くも4勝!「ピンチの方が燃える」最強リリーバー
井上悠投手は、亜細亜大学の勝ちパターンにおいて欠かせない存在となっている。特にこの日の国学院大戦では0-0の緊迫した展開で迎えた6回、無死一、二塁という絶体絶命のピンチでマウンドに上がった。しかし、井上投手は動じず、相手クリーンアップを無安打に抑え、この回を無失点で切り抜けた。
その後も安定した投球を続け、4イニングを1安打2奪三振無失点。チームがその裏に3点を先制したことで、井上投手に4つ目の白星が灯った。開幕から5試合すべてに救援登板し、早くも今季4勝目。自らを「僕はピンチの方が燃えるんです。絶対抑えてやろうと。」と話し、どんな場面でも落ち着いて抑えることを意識している。ブルペンからマウンドへ向かう際に大きくジャンプするという中学時代からのルーティンも、集中力を高めるスイッチとなっている。
疲労骨折乗り越え球速アップ!監督も全幅の信頼
井上投手182cm94kgと、県岐阜商時代も素晴らしい体格から高校3年春に147キロを記録して注目されていた。亜細亜大に進学すると2年生だった昨秋のリーグ戦終了後に右肘の疲労骨折が判明し、冬場はノースローに徹し、地道なリハビリと並行して下半身の強化に重点的に取り組んだ。このトレーニングが功を奏し、復帰後は平均球速が上がったという。現在の球速は140キロ台中盤が中心で、カットボールやチェンジアップといった変化球を低めに丁寧に投げ込む投球スタイルで打者を打ち取っている。
開幕5連投と登板過多のようにも見えるが、本人は「疲れはないです」と笑顔を見せる。正村公弘監督も井上投手には全幅の信頼を寄せており、「いつも酷なところで出していますが、抑えてくれているので、井上頼りです」と話す。5試合で17イニングを投げ自責点はわずか2と、安定した成績を残している。
亜細亜大学の開幕5連勝に貢献!更なる勝利へ
亜細亜大学は、九里亜蓮投手(現オリックス)らを擁してリーグ制覇を果たした2013年秋以来となる開幕5連勝を飾った。この快進撃に井上悠投手が果たしている役割は非常に大きい。先発投手が作った流れを断ち切らず、あるいはピンチを凌いで相手に傾きかけた流れを引き戻す、まさに「火消し役」として機能している。
井上投手自身も、「これからも出番が来たら、どんな場面でも抑えていきたい」と語っており、チームの勝利のために貢献し続ける覚悟を示している。高校時代の先輩である国学院大学の中西流空選手との対戦で三振を奪った際にはガッツポーズが飛び出すなど、負けん気の強さも持ち合わせている。亜細亜大学の快進撃と共に、井上悠投手は今季何勝を積み上げるのか、そして来年へ、期待が高まっていく。
井上悠投手 プロフィール
- 氏名: 井上 悠(いのうえ ゆう)
- 所属: 亜細亜大学 3年
- ポジション: 投手
- 出身: 岐阜県
- 経歴: 県岐阜商業高等学校 – 亜細亜大学
- 投打: 右投右打
- 特徴: 最速140キロ台中盤のストレートと変化球を操るリリーフ右腕。ピンチに強く、東都大学野球リーグで開幕から多くの勝利を挙げている。


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