春季高校野球富山大会の3回戦で、プロ注目の左腕同士が投げ合う注目のカードが実現した。未来富山高校の江藤蓮投手と高岡商業高校の岡田一桜投手の対決は高岡商業が7-0で勝利したが、東京ヤクルトの小川GMなど6球団のスカウトも熱い視線を送った。
プロ注目左腕対決に明暗!高岡商・岡田一桜投手が6回無失点の粘投
高岡商の岡田一桜投手(3年)は、先発して6回を投げ4安打無失点と、相手打線を抑え込んだ。初回、2回とストライク先行で波に乗り、最速143キロのストレートも走りが良く無失点を続ける。5回に一アウト二、三塁、6回にも二死二、三塁といずれも得点圏に走者を背負うピンチを迎えたが、粘り強い投球で後続を断ち切り、無失点で切り抜けた。
昨秋の公式戦後に外野手から投手に本格転向したというエースは、この日、足に軽いつりがあったため6回で降板したが、その後はセンターの守備に就き、3番打者としても江藤投手から2安打を含む4安打を放ち、三盗を決めるなど、投打にわたる活躍を見せた。
吉田真監督は、「序盤から制球がよかった。いけるところまでいくつもりでしたけど、踏み出す足が軽くつってしまったみたいです。それでも相手は関係なく、我慢して、粘り強い戦いができた。次は完投もあると思います」と評価した。
6球団スカウトが視察し双方の左腕に評価
未来富山高校の江藤蓮投手(3年)は、自己最速を2キロ更新する145キロを記録するなど球の力を見せたが、6回を投げて9安打3失点という結果に終わった。特に、6回二死満塁で決勝点となる2点タイムリーを浴びるなど勝負所で決めきれなかった点が課題として残った。自身の投球について「制球力かなと思います」と反省を口にした。それでも「もうちょっと伸びてほしかったけど、何とか更新できてよかった。点は取られたけど、真っすぐの質、変化球のキレは勝ってるのかなと思います」と、ピッチングへの手応えについても話した。
それで東京ヤクルトの小川GMなど、視察した6球団のスカウトの評価は二人ともに高い。東京ヤクルトの小川GMは江藤投手に対して、
- 東京ヤクルト・小川淳司GM:「ストレートをしっかり制球できる。左打者にもインサイドを突けていて、変化球で空振りも取れる」
と評価した。また岡田投手についてスカウト名はわからないものの、「腕がよく振れている。テイクバックは特徴の一つ」「体の使い方が面白い。腕が少し遅れて出てくる」
と評価された。
ライバルとして刺激!夏へ向け甲子園目指す両左腕
岡田投手と江藤投手は、富山県に同じ学年に登場した左腕として、互いを強く意識し、刺激し合っている。江藤投手は、「まず、楽しかったのが一番です。投げ合っている中で、先にマウンドを降りましたし、岡田に打たれたので、悔しかったです」と話した。
これで夏の富山大会はノーシードからの戦いとなる。U18日本代表候補にも選ばれている江藤投手は、「僕が投げて、みんなで一つずつ勝って、甲子園を目指していきたい」と語り、夏には岡田投手へのリベンジを果たす。
そしてともにプロも注目する存在となり、その先のステージでも二人の投球が比較され、注目されていくだろう。
岡田一桜投手 プロフィール
- 氏名: 岡田 一桜(おかだかつえい)
- 所属: 高岡商業高校 3年
- 投打: 右投左打
- 最速: 143キロ
- 特徴: 外野手から投手に転向後、エース格に成長した左腕。最速143キロのストレートと粘り強い投球が持ち味。打撃でもチームの中心。
江藤蓮投手 プロフィール
- 氏名: 江藤 蓮(えとう れん)
- 所属: 未来富山高校 3年
- 投打: 左投左打
- 最速: 145キロ
- 特徴: プロ注目の左腕。最速145キロのストレートとキレのある変化球が武器。U18日本代表候補。ライバル意識を持って更なるレベルアップを目指す。


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