春季高校野球静岡大会ではベスト4がでそろった。聖隷クリストファーは島田樟誠高校と対戦し5-0で勝利。来年のドラフト候補として注目される2年生145キロ左腕・高部陸投手がマダックスを達成、磐田南の山田堅正投手も145キロを記録して勝利した。
144キロに笑顔、磐田南・山田堅正投手
磐田南の山田堅正投手は181cm80kgの右腕でこれまで最速は142キロだったが、この日の浜松商戦の2回に自己最速を3キロ更新する145キロを記録した。「この球場は出やすい。超うれしかったです」と笑顔を見せた。その後も鋭いスライダーとストレートで浜松商打線をカノ駅に抑え、6回までノーヒットピッチングを見せる。7回2アウトからヒットを許しても「全然気になりませんでした」と集中力を欠くことなく、9回まで無失点に抑えた。
ともに0点のまま延長タイブレークに入ると、10回はお互いに1点ずつを奪い、延長11回、磐田南は先行で4点を奪うと、その裏に山田投手は2失点したものの、最後の151球目は127キロのスライダーでこの日16個目となる三振を奪った。「最後は三振を狙いに行きました。凄い嬉しかった。気持ちよく投げられましたし、まだまだいけました」と話した。
来年ドラフト候補の2年生左腕、圧巻の95球「マダックス」達成！
聖隷クリストファー高校の2年生エース左腕・高部陸投手は、島田樟誠高校戦に先発すると、9回を95球で3安打11奪三振無失点。相手打線を三塁を踏ませない完璧な内容で完封勝利を飾った。マダックスを達成し、「初回からコントロール良く攻めることができた。チームに流れを持ってくることができてよかったです」と話した。
この日の95球のうち、変化球は約10球のみだったという。相手打線がストレートに対応できていないと感じ、「捕手と相談して直球にこだわって投げました」というように、この春に最速145キロをマークするまでになったストレートを内外角に投げ分けて打者を打ち取った。11奪三振のうち8個が空振り三振で、ストレートの質の高さがうかがえる。
これで2試合連続の完投勝利となったが、前試合の知徳高校戦では136球を投じており、この日は制球をより強く意識したという。冬場には体づくりに専念し、体重が6キロ増の68キロになるなどパワーアップ。その成長は著しい。また、昨秋の県大会では7試合連続完投を果たすなど、タフネスぶりも兼ね備えている。
高部投手は、昨夏にチームが静岡県準優勝、秋には自らがエースナンバーを背負って静岡大会3位となるなど実績を残している。それでもこの日の自身の投球には「７、８０点」と厳しめの自己評価。3点リードの8回先頭に死球を与え、この日初めて走者を2人出した場面について、「均衡している場面でもテンポよく投げられるようにならないと」と課題を挙げ、更なる向上心を見せる。準々決勝進出を決め、連戦となるが「投げたいです」と意欲十分。「エースとして、チームに勢いをつけたい」と語る来年のドラフト候補左腕。昨夏にあと一歩で届かなかった甲子園出場を目指し、聖隷クリストファー高校のエースとしてチームを牽引していく。
高部陸投手 プロフィール
- 氏名: 高部 陸（たかべ りく）
- 所属: 聖隷クリストファー高等学校 2年
- 経歴: 聖隷クリストファー高等学校（昨夏県準優勝、昨秋県3位、昨秋7試合連続完投）
- 投打: 左投左打
- 身長・体重: 174cm・68kg
- 最速: 145キロ
- 特徴: 来年のドラフト候補として注目される2年生エース左腕。最速145キロのストレートと制球力が武器。タフネスぶりも兼ね備え、今春「マダックス」を達成するなど成長著しい。
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