全国高校野球選手権京都大会では、今春の府大会を制した京都共栄と、強豪・福知山成美がそれぞれ初戦を突破した。京都共栄は、鳳凰投球の小林海翔投手(3年)が6回1失点の好投。福知山成美は、背番号10の田上慶投手(3年)が8回13奪三振の快投を見せた。
京都共栄学園・小林海翔投手、羽ばたく“鳳凰投法”で6回1失点
世界遺産・平等院鳳凰堂からほど近い、太陽が丘球場に“鳳凰”が舞った。京都共栄学園のエース左腕・小林海翔投手は、右足を上げた直後に両腕を大きく広げる独特の「鳳凰投法」で、同志社国際を相手に6回を投げ2安打1失点、6奪三振と好投し、チームを10-1の7回コールド勝ちに導いた。「球の見えづらさ、タイミングの合わせづらさを意識しています」という変則フォームは、西脇工業時代に巨人・大勢投手を指導した木谷忠弘監督との二人三脚で作り上げたもので、2年秋まで2番手だった左腕は、このフォームで才能を開花させ、今春チームを初の府大会優勝に導いた。
試合後、小林投手は「今日は比較的によかった。夏は初戦が難しいと言われているので、まずは勝てて良かった」と安堵の表情。しかし、次戦には福知山成美、その先には昨夏日本一の京都国際と、強豪との対戦が待ち受ける。「もう一回、京都1位になって、甲子園に行きたい」。鳳凰は甲子園へと羽ばたく。
福知山成美・田上慶投手、感謝の13K!「Wエース」へ名乗り
また強豪の福知山成美は、背番号10の田上慶投手が夏の初戦で先発マウンドを託されると、188cmの長身から投げ下ろすストレートとカットボールを武器に、6者連続三振を含む8回13奪三振1失点の快投でチームを8-1の8回コールド勝ちに導いた。
長身から141キロを投げ下ろす投手だが、チームには144キロ右腕のエース・小沢快心投手(3年)が絶対的エースとして君臨しており、今大会も背番号10をつけている。昨夏は登板1試合2イニングのみ。「信用されていないんだな」と、新チーム結成後に「ダブルエース」と呼ばれることを目標に、一日5食の食事で体重を10kg増やし、球速も10キロアップの最速141キロとなった。その努力が、この日の快投に繋がった。「先発を任せてくれたということは信頼が大きくなったのかな。自分の力を出せた」と胸を張った。
試合後、審研人監督は田上投手に「ダブルエース」と言葉を贈った。
小林海翔投手 プロフィール
- 氏名:小林 海翔(こばやし かいと)
- 生年月日:2008年1月14日
- 出身地:兵庫県朝来市
- 経歴:竹田少年野球クラブ(小4) – 姫路アイアンズ(中学) – 京都共栄学園高校(3年)
- 投打:左投左打
- 身長・体重:174cm・76kg
- ポジション:投手
- 主な特徴や実績:最速137キロの変則左腕。「鳳凰投法」と呼ばれる独特のフォームで打者を幻惑する。今春、チームを初の京都府大会優勝に導き、エースナンバーを背負う。西脇工業時代に巨人・大勢投手を指導した木谷忠弘監督の下で才能が開花。
田上慶投手 プロフィール
- 氏名:田上 慶(たのうえ けい)
- 所属:福知山成美高校(3年)
- ポジション:投手
- 投打:調査中
- 身長・体重:188cm・72kg
- 主な特徴や実績:188cmの長身から投げ下ろす最速141キロ右腕。2025年夏の京都大会初戦で先発し、8回13奪三振1失点の快投。昨夏から体重を10kg増やし、球速も10キロアップ。小沢快心投手とともに「ダブルエース」として期待される。





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