全国高校野球選手権岐阜大会は、大垣北が飛騨高山に8-7で競り勝った。プロ注目の最速149キロ右腕・坪眞都(つぼ まなと)投手(3年)が先発し、7回を148球を投げて10奪三振を奪うも6失点と苦しむ投球だったが、その将来性に、視察した中日のスカウトが評価した。
「序盤は緊張で力んだ」7四死球も4回以降は修正し10奪三振
最速149キロの速球にプロのスカウトが注目する大垣北の坪眞都投手は、立ち上がりは制球に苦しみ、3回までに7つの四死球を与えるなど、苦しいマウンドとなった。しかし、4回以降は修正すると、球数が120球を超えた7回には、無死満塁のピンチを招きながらも、そこから三者連続空振り三振。力を振り絞り、140キロ超の力のあるボールで相手打線をねじ伏せた。「序盤は緊張で力んでしまったが、4回以降は吹っ切れた」。試合後、坪投手は自身の投球をそう振り返った。
この投球に、バックネット裏で視察した中日の清水スカウトも、その修正能力を高く評価した。
中日・清水スカウト:「変化球が要所で低めに決まっていた。修正していけるところも評価のポイント」
高蔵寺・芹澤投手との出会いが変えた意識「球の伸びが大事」
岐阜の公立進学校に現れた149キロ右腕。この日の最速は144キロと、「夏までに150キロ」という目標には届かなかったが、その意識はすでに球速の先にある。きっかけは、5月末に行った愛知・高蔵寺との練習試合。日米のスカウトが注目する左腕・芹澤大地投手と対戦し、「ここに来るだろうと思ったところから二段くらい浮いてきて、球の伸びが大事だと思った」と、衝撃を受けた。平均球速はほぼ同じでも、ボールの回転数は200ほど違ったという。この出会いが、球速以上に質にこだわるきっかけとなった。
2月には自ら野球のデータ分析施設「ネクストベース」を訪問するなど、投球の向上に向けて取り組んでおり、希望進路は高卒でのプロ入り。しかし、今はチームの勝利だけを見据えている。「勉強を頑張っていて、今大会が野球をやるラストになるチームメートがいる。仲間と楽しい夏にしたい」。受験勉強に入る仲間たちのためにも、一つでも多く勝ち進む。「高校最後の大会なので、悔いを残さないように戦いたい」。公立の星が、仲間との最後の夏を全力で駆け抜ける。
坪真都投手 プロフィール
- 氏名:坪 真都(つぼ まと)
- 所属:大垣北高校(3年)
- ポジション:投手
- 投打:右投左打
- 主な特徴や実績:最速149キロを誇るプロ注目の右腕。2025年夏の岐阜大会初戦で先発し、7回148球、10奪三振6失点の力投でチームを勝利に導く。中日の清水スカウトから修正能力を評価される。高蔵寺・芹澤大地投手との出会いをきっかけに、球速よりも球質を重視するようになった。高卒でのプロ入りを目指している。


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