全国高校野球選手権愛媛大会は2回戦が行われで西条が川之石に7-0で7回コールド勝ちした。プロ注目の最速143キロ左腕・宇佐美球児投手(3年)が7回にリリーフ登板。1イニングを2安打無失点に抑え、ネット裏に集結した阪神、ヤクルトなど8球団のスカウトにそのポテンシャルを見せつけた。
「球児」の名を持つ左腕、1回無失点デビュー
宇佐美球児投手は182cm85kgの大型左腕投手で、最速は143キロも、その精度の高い投球に注目された。そして父が阪神・藤川球児監督のファンであったことから名付けられた「球児」という名前もあり、野球ファンからも注目されている存在だ。
その宇佐美投手が最後の夏、聖地への第一歩を踏み出した。7点リードで迎えた7回、マウンドに上がると、1死一、二塁のピンチを招いたが、後続を見逃し三振に仕留めて1イニングを無失点に抑えた。この日の最速は140キロ。「球の質は良かったが、球速の部分では全然、物足りない。出力面が問題」と、投球内容には納得はしていなかった。
阪神「大型の左は貴重」ヤクルト「将来性のある楽しみな投手」
182cmの長身から投げ下ろす角度のあるストレートと、鋭いスライダー。その才能に、プロのスカウトも高い評価を与えている。この日、ネット裏には8球団のスカウトが集結した。
阪神・山本スカウト:「大型の左は貴重。スライダーもいい」
東京ヤクルト・平岡スカウト:「エンジンが大きい。将来性のある楽しみな投手」
この日の投球は、出力は正直、まだ足りないと思った。最速143キロというのも現在の高校生左腕では、ドラフト候補としては速くないもので、この最速がいつ更新されるかが待たれる。しかし、体を使ってしっかりと腕を振り、やや頭がキャッチャーの目線から離れる感じで動くものの、コントロールは正確。やはり只者ではない印象をうけた。
「高卒支配下でプロに」U-18落選の悔しさバネに
4月のU-18日本代表候補合宿には選出されず、「現実を見た。呼ばれていないということは、まだ足りない」と、その悔しさを力に変えてきた。「甲子園に行くこと、高卒支配下でプロにいくことしか考えていない。この夏は、宇佐美球児はこんなもんじゃないぞ、と示せるように」と話した宇佐美投手、その球速を伸ばして一気にブレイクし、甲子園出場からのU18代表入り、そしてドラフト会議へとつなげてゆきたい。
宇佐美球児投手 プロフィール
- 氏名:宇佐美 球児(うさみ きゅうじ)
- 生年月日:2007年6月4日
- 出身地:愛媛県西条市
- 経歴:大町ソフトボールクラブ(大町小2年) – 西条南中学校(軟式野球部) – 西条高校(3年)
- 投打:左投左打
- 身長・体重:182cm・85kg
- ポジション:投手
- 主な特徴や実績:最速143キロを誇るプロ注目左腕。2025年夏の愛媛大会初戦で1回無失点の好投。阪神、ヤクルトなど8球団のスカウトから高い評価を受ける。名前の由来は阪神・藤川球児監督。西条高校では1年夏からベンチ入りし、1年秋からエースナンバー。中学3年時には愛媛県選抜に選出。



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