全国高校野球選手権栃木大会は17日、2回戦が行われ、昨秋・今春の県大会を制した佐野日大が栃木商業に5-0で勝利し、初戦を突破した。プロ注目の「1番・三塁」井上遥翔選手(3年)が4安打を放つ活躍を見せ、視察した中日、阪神、千葉ロッテ、北海道日本ハムなど6球団のスカウトにアピールした。
親子で作り上げたミート力、4安打で打線を牽引
井上遥翔選手はこの日、0-0で迎えた5回1死二塁のチャンスで、痛烈なライナー性のレフト前ヒットを放ち、相手のエラーも絡んで先制点を呼び込むと、打線はこの回一挙5得点。その後も6回に右翼手の頭上を越える二塁打、8回にもライト前ヒットと、広角に打ち分ける技術を披露した。それでも「初回の先頭で出塁できなかった。チームが勢いに乗れなかったので、初回から自分の打撃ができるようにしていきたい」と話し、4安打を打ちながらも序盤の打席でチームを勢いづける打撃ができなかったことを反省した。
その卓越したミート力は、父・美則さんと二人三脚で作り上げたものだった。幼少期から、シャトルを70回連続で打つ練習を3セット、毎日繰り返してきた。「きついんですけど、そのおかげでここまでこれていると思います」と、父への感謝を口にする。実業団の陸上選手だった父からは、怪我をしない体作りや走り方も学び、50メートル走のタイムは高校入学時の6秒6から6秒2まで向上した。
中日スカウト高評価「変化球の対応も良い」
その高い技術に、プロのスカウトも注目している。この日、ネット裏には中日、阪神、千葉ロッテ、北海道日本ハムなど6球団のスカウトが視察。中日の正津英志スカウトは、その打撃センスについて高く評価している。
中日・正津英志スカウト:「コンタクト能力が高い選手。変化球の対応も良く、ここからさらに調子が上がってくると思う」
進路は夏の結果次第「プロの舞台で頑張りたい」
今後の進路については、「この夏の大会で決めるつもりですけど、プロの舞台で頑張りたいと思っている」と、プロ入りへの強い意欲を示した。県内無敗で迎える夏。「秋春と優勝してきているが、夏勝たないと甲子園には行けない。みんなで優勝できるよう頑張っていきたい」。リードオフマンが、チームを夢の聖地へと導く。
洲永俊輔投手145キロ、大学進学へ
また146キロ左腕として注目される洲永俊輔投手は、この日は最速145キロを記録し、5回4安打10奪三振無失点の好投を見せた。注目の左腕だったがすでに大学進学の意向をしめしており、「優勝が目標なんですけど先を見ていると足をすくわれてしまうので、まずは一つ一つの試合を勝ち切っていくことが大切」と話した。
井上遥翔選手 プロフィール
- 氏名:井上 遥翔(いのうえ はると)
- 所属:佐野日本大学高校(3年)
- ポジション:内野手(三塁手)
- 投打:右投左打
- 主な特徴や実績:プロ注目の巧打者。2025年夏の栃木大会初戦で4安打を記録。中日など6球団のスカウトから高い評価を受ける。父・美則さんと二人三脚で磨いた高いミート力が武器。50メートル走6秒2。



コメント