全国高校野球選手権大阪大会は4回戦が行われ、大阪桐蔭が天王寺に16-2で5回コールド勝ちし、5回戦に進出した。この試合で、最速152キロの速球を投げる来秋のドラフト候補右腕・吉岡貫介投手が公式戦初先発し、2回を1安打無失点、3奪三振と好投した。この日は巨人、阪神など8球団が視察し、来年への期待を示した。
公式戦初先発で2回無失点3K、自己採点は辛口「35点です」
背番号14が、初めて真っさらなマウンドを踏んだ。公式戦初先発を任された吉岡貫介投手は、初回をわずか8球、三者凡退に抑える完璧な立ち上がり。2回にはこの日の最速となる147キロを計測し、スライダーも解禁。2死からヒットを許したものの、後続をきっちりと打ち取り、2回29球を投げ1安打3奪三振無失点と、危なげない投球を見せた。しかし、本人は「2イニング目はバランスが悪くなり、自分の思うような投球ができなかった。35点です」と、反省しきりだった。
15日の3回戦では、リリーフ登板で自己最速を更新する152キロをマークし、衝撃の夏デビューを飾った。先発としても結果を残したことで、西谷浩一監督も「強い真っすぐと、変化球もだいぶ良くなってきましたし、先発も後ろもできるようになってきたので、大きな戦力だと思っている」と、その成長に目を細めた。
巨人「来年が楽しみ」阪神「真っすぐが強い」8球団スカウトが高評価
その将来性豊かな投球に、ネット裏のスカウト陣も熱い視線を送った。この日、巨人や阪神など8球団のスカウトが視察。各球団が来秋のドラフト候補として高く評価した。
巨人・武田チーフスカウト:「投げっぷりがいい。来年が楽しみ」
阪神・岡本スカウト:「真っすぐが強い。今後も見ていこうと思っている」
故障乗り越えた“怪物候補”、「150キロトリオ」形成へ
これまで公式戦登板は昨秋の2イニングのみと、その存在はベールに包まれていた。その理由は、度重なる故障。高校入学直後に右肩、今春には右肘を痛めるなど、苦しい時間を過ごしてきた。しかし、その間も下半身のトレーニングを徹底。入学時に145キロだった球速は152キロまでアップし、直球の回転数はプロの平均を上回る2600回転を誇るまでになった。
今秋ドラフト候補の最速153キロ右腕・森陽樹投手、150キロ右腕の中野大虎投手に、この吉岡投手が加わり、大阪桐蔭は「150キロ先発ローテーション」が形成された。「まずは甲子園を決めて、甲子園の舞台に立って自分のピッチングがしたい」。地元・大東市出身の右腕が、甲子園での活躍を誓った。
吉岡貫介投手 プロフィール
- 氏名:吉岡 貫介(よしおか かんすけ)
- 生年月日:2008年10月20日
- 出身地:大阪府大東市
- 経歴:ジュニアサンダース(南郷小3年) – 大東畷ボーイズ(南郷中) – 大阪桐蔭高校(2年)
- 投打:右投右打
- 身長・体重:174cm・75kg
- ポジション:投手
- 主な特徴や実績:最速152キロを誇る2年生右腕。2025年夏の大阪大会4回戦で公式戦初先発し、2回1安打無失点3奪三振。巨人、阪神など8球団のスカウトから高い評価を受ける。直球の回転数はプロトップクラスの2600回転を誇る。高卒でのプロ入りを目指す。大阪桐蔭では1年秋からベンチ入り。50メートル走6秒3。





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