秋季高校野球近畿大会では、滋賀1位の近江が市立尼崎(兵庫)を9-1の7回コールドで下し、ベスト8進出を決めた。来秋ドラフト候補の最速148キロ右腕・上田健介投手(2年)が7回を1安打1失点に抑える快投。2度の頭部死球を受けながら出場を続けた主将で捕手の杉本将吾選手(2年)の闘志に応え、チームを2年ぶりの選抜出場へあと1勝に迫る勝利に導いた。
女房役の闘志に応えるエースの快投
エースの気迫が、女房役の闘志に火をつけた。この日、上田健介投手は7四死球と制球に苦しみながらも、威力のある直球で相手打線を封じ込める。しかし5回、バッテリーを組む主将の杉本将吾選手がこの試合2度目となる頭部死球を受けるアクシデントが発生。それでも杉本選手は医師の診断を受けてプレーを続行。その姿に、上田投手はさらにギアを上げた。
「心配だった。杉本のために投げようと思った」。不屈の女房役の存在に奮起した右腕は、4回まで5つだった四死球を5回以降は2つに減らし、7回を1安打1失点にまとめる粘りの投球を見せた。
先輩から受け継いだエースの自覚
最速148キロ右腕として来年のドラフト候補として注目されている。この日もネット裏にはスカウトが姿を見せ、143キロの球速を計測していた。「序盤は四球が多くて苦戦したが、中盤以降はボールもまとまってきてよくなってきた。ストレートの走りはよかったが、コントロールがうまくいかなかった」と話す山田投手に、小森監督も「人間的にも、身体もまだまだ成長段階。指にかかったときのボールは質の高いものを投げる」と話し、まだ成長の途中にいると話した。
近江といえば、最近では山田陽翔選手の姿が思い浮かぶ。上背はなかったものの体をがっしりと作り上げ、近江のエースで主砲として大黒柱となり、特にマウンドでは気迫で投げ続ける姿が印象に残っている。2022年には埼玉西武にドラフト5位で指名され、3年目の今年に1軍で登板をすると、中継ぎとして49試合に登板、3勝3敗17ホールドと活躍を見せた。
来年のドラフト会議は高校BIG3と言われる横浜の織田、沖縄尚学の末吉、山梨学院の菰田という怪物がいるが、上田投手も高校のトップを狙える選手であることは間違いないだろう。
上田 健介 プロフィール
- 氏名:上田 健介(うえだ けんすけ)
- 所属:近江高校 2年
- 出身:和歌山県伊都郡かつらぎ町
- ポジション:投手
- 投打:右投右打
- 身長・体重:182cm・80kg
- 主な特徴や実績:2026年ドラフト候補。最速148キロの本格派右腕。秋季近畿大会1回戦で7回1安打1失点の好投。







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