巨人は事前の公表通り、社会人No.1左腕の呼び声高い鷺宮製作所の竹丸和幸投手(23)を1位指名し交渉権を獲得した。「先手必勝」の公表戦略が功を奏し、競合を回避しての獲得に成功。阿部慎之助監督も「球界を代表する投手になれる」と、左腕不足解消の切り札として大きな期待を寄せた。
狙い通りの一本釣り、阿部監督「先手必勝」
ドラフト前日に1位指名を公表する戦略が、見事にハマった。今年屈指の即戦力左腕に他球団の評価もうなぎのぼりに高まっていたが、指名公表によって他球団が竹丸和幸投手の指名を回避した結果、巨人は競合なしで即戦力左腕の交渉権を獲得。阿部監督は「抽選にならなくて良かった。全てのボールが素晴らしいし、まだまだ伸びしろも感じる。プロに入って、今まで以上にいろいろなボールを磨いて球界を代表する投手になれる」と満面の笑みで評価した。
榑松スカウト部ディレクターも、「補強ポイントである左の先発ローテーションを担える素材として、左投手の中では竹丸投手を最も高く評価しました」と、指名の意図を説明。チームの長年の課題解消へ、これ以上ない補強となった。
「10年間1軍で活躍」ドラ1の誓い
埼玉県狭山市の鷺宮製作所野球部寮で運命の瞬間を迎えた竹丸和幸投手は、終始冷静な表情。マウンド上と同じくポーカーフェイスを崩さず、「ドラフト1位という高い評価をしていただいてとてもうれしい。10年間1軍で活躍できるような選手になりたい」と、喜びと決意を静かに語った。その落ち着きぶりに、同席した幡野一男監督も「マウンドでもずっとあんな感じでひょうひょうとしている」と笑った。
阪神ファンの父へ「対戦したら抑える」
指名後、大の阪神ファンだという父親に連絡。「おめでとうっていう言葉だけでした」と苦笑いを浮かべた。ライバル球団への入団となるが、「しょうがないので、対戦したら抑えられるように頑張りたい」とプロとしての覚悟を見せた。対戦したい打者には、今季の本塁打王・佐藤輝明選手を挙げ、闘志を燃やした。
社会人で覚醒した遅咲きの左腕
崇徳高校・城西大学時代はエースではなく、一度は野球を辞めることも考えたという。しかし、社会人でウエートトレーニングに取り組み、体重が8kg増加。球速も最速152キロまで伸び、一躍ドラフト1位候補へと駆け上がった。「野球をやめなかった。本当にそれに尽きる」。努力で道を切り開いた左腕が、伝統のユニフォームに袖を通す。
竹丸 和幸 プロフィール
- 氏名:竹丸 和幸(たけまる かずゆき)
- 所属:鷺宮製作所
- 出身:崇徳高校 – 城西大学
- ポジション:投手
- 投打:左投左打
- 身長・体重:179cm・75kg
- 主な特徴や実績:2025年ドラフト1位(巨人)。社会人No.1左腕との呼び声も高い。自己最速152キロの直球と多彩な変化球が武器。社会人2年目で大きく成長した。













コメント