見えてきたドラフトの課題

ドラフト制度 2012年ドラフトニュース

 大谷翔平選手の入団が決定し、これで2012年のドラフト会議は全て終わった格好だが、ドラフト会議では2010年、2011年、2012年と3年連続で課題も示しているし、今回の大谷翔平選手の件でそれはより具体的になってきた。

 現在のドラフト会議では選手が希望球団を口にすることが許されない。しかし、2010年、中大の沢村拓一投手が、本人は口にしなくても大学監督が意中の球団があることを表明し、他球団から指名された場合はにメジャー入りも示唆した。そしてそれと合わせるようにスポーツ報知が「巨人志望」を報道している。また昨年も東海大・菅野智之投手が同じように監督や関係者が巨人志望を示唆し、今年については「アメリカ」という言葉の聞かれた。

 そして今回の大谷選手についても、形としてはメジャー入りを公表し、多くの球団が指名を避ける中での単独指名となった。沢村投手や菅野投手は意中の球団であれば日本球界入りをする意思表示をしていたのに対し、今回は全ての球団を拒否したこと、北海道日本ハムは密約説を払拭するためにドラフト前に大谷選手を指名する事を公表するなど、明らかに状況は違う。

 それはドラフト後の反応も明らかで、沢村投手はすぐに指名挨拶を受けて巨人側に入団の意思を伝えた。メジャーに行く気など無かったのは明らかだが、大谷投手は入団前にメジャーと共に国内球団からも話を聞き、ドラフト後は悩みながら決断をした。ドラフトの事を見ていなければその違いは分からずに、「密約があった」と批判をすることになるのだろう。

 ただし、今回、大谷選手が批判を受けていること、また東北楽天・星野監督や横浜DeNA・高田GMなどの意見が分かれていることなどから、問題があることは明らかだろう。問題点としては星野監督が指摘するようにそもそも論といて、ドラフト会議の本来の目的である戦力均衡を目指すならば、完全ウェーバー制であることは明らかである。それを置いておいたとして、今回はメジャーとの関係と制度の矛盾がある。

 高校野球連盟とプロ側で取り決められたルールである「プロ志望届け」は国内12球団の密約を排除すると共に、メジャースカウトが先に交渉を進めてしまうことの防止策だったのだが、メジャーを志望し交渉を行うときにもプロ志望届けを提出しなければならず、今回のように国内球団に混乱を与えた。北海道日本ハムはリスクを取ったと言えば武勇伝にもなるのだが、この点はハッキリとしなければならない。国内12球団の志望球団を口にできないのであれば、メジャー志望も口してはいけないというほうが平等のような気もするし、国内プロ志望、海外プロ志望を明らかにするということもある。ただしこれをすると、今回は大谷選手が国内でプレーする機会を完全に断ち切ってしまうことになっていたことを考えると、簡単には決められないだろう。

 そしてその根本にあるのが、メジャーと国内の制度で、既にメジャーリーグは世界ドラフトの構想に着手をしている。従来のアメリカ圏のドラフトと別に、アジア・南米・ヨーロッパなどの選手を指名するドラフトを開催する案で、これが行われると日本のドラフトの前にメジャーのドラフトで指名されるようになるかもしれない。

 すぐには良い制度はできないだろうが、本気で取り組まなければ、来年も再来年も同じようにメジャー入りか国内か、または意中の球団以外はメジャーで、という騒動は起こり続けるだろう。

仙さん「仕切りが悪い」加藤Cを一刀両断 - サンケイスポーツ:2012/12/10

 星野監督の頬がみるみる紅潮する。雪の舞う仙台駅上りホーム。眉間にしわを寄せ、ドラフト制度にメスを入れた。

 「コミッショナーの仕切りが悪い。こんな中途半端ではいけない。規則もついていってない」

 

日本ハムと大谷には非がないことを前置きし、かみついた。当初、大谷はメジャー挑戦を表明。日本球団へ入団意思がないことを表明していたため、楽天はご当地選手にもかかわらず1位指名を回避した経緯があったからだ。「大谷は米国を希望していたから、よそ(他球団)も指名を避けた。そうは思わないけど、(両者に)前から話ができていたのか」と痛くもない腹を探られる-と言わんばかりだ。

 中略  

 「大谷が日本ハムに入るならドラフトの意味がなくなる。理事会(実行委員会)、オーナー会議で問題になる」と星野監督。野球界の将来のために、闘将流の清く正しいドラフト制度を訴えていく。

  楽天・星野仙一監督(65)が9日、仙台市内で取材に応じて、現行のドラフト制度を痛烈に批判した。メジャー挑戦を表明していた岩手・花巻東高の大谷が、1位指名を受けた日本ハムに入団することが決定。「日本球界に行くんなら、ウチも指名しとった。彼の将来は本人が決めることだけど、ちょっと大きな問題になる。これをやったんであれば、ドラフトの意味がない」と怒りをあらわにした。

 

 想定外の事態に、物申さないわけにはいかなかった。当初、楽天も大谷の1位指名を予定していたが、本人の意思を尊重して指名を回避した経緯がある。「記者会見したんだから、ドラフト指名されずに米国にいくという格好だった。地元(東北地方)の選手だし、ウチが取らんといかん選手だった。前から(入団への)話ができていたとか、そう思いたくないし、そうではないと思うけど…」と複雑な心境を吐露した。

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コメント

  1. もうルールを厳格化した方がいいのではないでしょうかね?密約と騒がれ、学校にまで誹謗中傷の電話が来ているみたいですし。メジャー志望届を出したらメジャー以外と交渉はできないという逃げ道を作らないやり方の方がスッキリするでしょう。もともと嘘や賄賂の話が嫌いな国民性なのですから、それくらいやってもいいのでは?

  2. 今回は過去の巨人批判と矛盾する声が多く残念です。

    巨人希望の選手と大谷選手の状況が違うのは当たり前です。
    特定球団希望では無かったので批判も少ないのでしょうけど。

    ただ、ドラフト後にメジャー球団と交渉していない点は一緒です。
    なぜスルーしているかはみなさん分かっているはずです。そ、自分の主張と矛盾するからです。
    本来メジャー球団と交渉し、金銭面・環境面などを考慮して決定されるべきはずです。

    また、日本ハムの戦略には大谷選手にとってマイナスとなる点があることは語られていません。
    ①高卒メジャー初の成功者となる道は完全に閉ざされてしまいました。
    ②今年メジャー級の大型契約を結ぶ機会を失いました。

    ドラフトファンの一人としては完全ウェーバーには反対です。
    下位球団には下位に留まってしまった責任があるのにご褒美はあり得ない。
    ドラフトの結果を見れば分かるように、強い球団は下位でもしっかりと補強出来ています。
    ただ、妥協案として2巡目以降は全て下位球団からの選択でも良いとは思います。

  3. 密約はあったな。2年連続で1位指名入団無しまらGMはいらない
    もんな。プロの世界そんな甘い世界じゃないでしょ。星野が怒るのも
    わかるは。