2011年ドラフトを振り返る(2位指名)

ドラフト指名予想

 ドラフト2位指名について振り返る。

2位1番目は千葉ロッテ、外れ1位候補としてリストアップしており、1位で藤岡投手を獲得した時点であきらめていたと思われる、近大・中後悠平投手が残っていた。左腕投手が続いたもののタイプも実績も違う選手で迷いは無かっただろう。千葉ロッテとしてみれば1位と評価していた選手を2人も取れたわけで、ウェーバーの利点を生かした形となった。

2番手は横浜、1位せ藤岡投手、松本竜也投手を外して北方悠誠投手を指名したことから、例年のように(2009年加賀繁、2010年加賀美希昇)即戦力投手が予想されたが、九州国際大付・高城俊人捕手を指名した。スポーツ紙では2紙が十亀剣投手を挙げており、十亀選手が1位指名されたことで繰り上げられたのかもしれないが、日刊スポーツは外れ1位候補に高城捕手を挙げており的中させた。高城捕手は3位までには指名されていたであろうから獲得するならばこの順位だった。ここで横浜の方針が将来性を見た高校生であることを確信し、今後も高校生指名が続くと思われた。

3番手は東北楽天、星野監督が評価した5人の高校生投手は、武田翔太、北方悠誠、松本竜也、釜田佳直、吉本祥二(歳内宏明)と見られる。武田、北方、松本は指名されており、釜田、吉本(歳内)の内、釜田投手を指名した。

4番手の広島東洋、十亀投手は残っていなかったため、方針通り社会人内野手の指名が予想された。リストに挙がっていたのは東芝・安達了一選手、JR東日本・縞田拓弥選手など。しかし実際に指名したのは中京学院大・菊池涼介選手。内野手としての高い守備力を評価したものと思われる。

5番手はオリックス、1位で安達了一内野手を指名しており、今度は投手かと思われたが、内野手を厚くするという方針は「徹底的」だった。1位2位候補としてリストアップしていた遊撃手に安達選手のほか、縞田拓弥選手も入っていたが1位に続いて指名をした。もちろんセカンドへの転向なども考えられるが、同じポジションの社会人選手を続けて指名するのは異例といえる。

6番手は阪神、鳥谷選手の動向もあり社会人内野手として安達了一選手もリストアップしていたが、当初の方針通り2位は高校生投手を指名した。松本投手などは当然指名されていたが、高く評価していた歳内宏明投手を指名した。予定通りの指名だったといえる。

7番手は埼玉西武、高く評価していた吉本祥二投手か社会人左腕が考えられ、帆足投手の動向もあることから社会人左腕を選んだ。JX-ENEOS・大城投手なども挙げられていたがNTT東日本・小石博孝投手だった。まあこれは予想範囲だっただろう。

8番手は巨人、1位の動揺から立ち直れていない雰囲気もあった。当初から高い評価をしていた太成学院大高の今村信貴投手を指名、坂本選手の不安点もあり野手の指名も考えられたが、菅野投手を獲得できなかった事で投手への意識が高くなった面もあると思う。しかし、1位松本と同じく力のある左腕投手を指名し、将来のポスト内海として期待できる形となった。

9番手は北海道日本ハム、JR北海道・武藤好貴投手の指名が予想されたが東北楽天が1位指名した事、1位で菅野投手を指名できたことで余裕も持てたのか、高校生内野手の帝京・松本剛選手を指名した。内野手の獲得は予想されていたため予定通りといえる。

10番手の東京ヤクルトは1位で高橋周平選手の指名が確定していたため、2位は即戦力投手の予想ができていた。実際には川上選手を指名できたがその方針は変わらない。ただし指名選手としては東海学園大・田島投手や東京国際大・伊藤和雄投手などかと思われたが予想外の日本文理大の木谷良平投手。11球団がマークしており注目されていたがこれも驚かされた。

11番手は福岡ソフトバンク、1位で武田翔太投手を指名し地元の高校生選手として、北方悠誠投手、高城俊人捕手、戸田隆也投手などが予想され、また野手の指名も考えられたものの、吉本祥二投手が残っており、1位武田投手と同じタイプだが続けて指名をした。3位指名も近いことから中日の指名を予想しての判断だったと思われる。

最後は中日、外れ1位にも評価していた西川健太郎投手を獲得できた。これは千葉ロッテ同様うれしい誤算だが、12番目なのに獲得できたことは予想外だったか。

1位 2位 コメント
千葉ロッテ 藤岡貴裕 中後悠平 即戦力左腕2人。2位中後は外れ1位候補でうれしい誤算
横浜 北方悠誠 高城俊人 高校生バッテリー。この時点で将来性の方針が確定
東北楽天 武藤好貴 釜田佳直 1位は予想外、2位は予定通り
広島東洋 野村祐輔 菊池涼介 補強ポイントどおりの指名、守備力を高く評価
オリックス 安達了一 縞田拓弥 徹底した内野手指名、同じポジションの社会人を1位2位で指名するのは異例
阪神 伊藤隼太 歳内宏明 1位2位とも予定通り
埼玉西武 十亀剣 小石博孝 左右の即戦力獲得で予定通り
読売 松本竜也 今村信貴 1位のショックがあるも、2人の高校生左腕で将来の左腕の不安は無し
北海道日本ハム 菅野智之 松本剛 1位で菅野投手を指名し余裕を持った指名か。内野手指名は予定通り
東京ヤクルト 川上竜平 木谷良平 1位で高校生野手、2位で即戦力投手は予想できたか、川上、木谷は予想できなかった。
福岡ソフトバンク 武田翔太 吉本祥二 1位2位で長身の将来性豊な投手指名、戦力の余裕のあるチームならでは
中日 高橋周平 西川健太郎 1位2位で投打の中心選手になりそうな選手獲得。こちらも戦力に余裕のあるチームの指名。
この記事を書いた人
yuki

 1996年よりドラフト会議ホームページを解説し、30年間に渡ってドラフト候補選手の分析や12球団のドラフト会議の指名を分析してきました。
 雑誌「野球太郎(http://makyu.yakyutaro.jp/)」にも執筆。
 2008年からはドラフト会議に関する情報を毎日投稿しており、2024年時点で23,000以上の記事書いています。
 また、ドラフト候補の動画とみんなの評価サイト(player.draft-kaigi.jp)では、みなさまがおすすめするドラフト候補選手が、これまでに3万5千人以上登録されておりその評価も行っています。

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コメント

  1. 「JX-ENEOS・大越」とここでも、他でも書いているが、「JX-ENEOS・大城」じゃないですか?