2013年ドラフト総決算~頭角~

選手コラム 2013年ドラフトニュース

 2013年ドラフト会議、始まりは2007年にそれぞれの野球選手の誓いからスタートした。吉田一将、小林誠司、大瀬良大地、松井裕樹などがドラフト1位へ進んでいく、6年間のストーリーの第3章。

2010年春

 3月に開幕するセンバツ高校野球大会は毎年訪れ、高校生の熱い戦いと共に春を呼び込む。2010年の春は昨秋の明治神宮大会で準優勝に終わったものの本格派投手として活躍を見せた東海大相模の一二三慎太投手に注目が集まった。しかし全体的には本命の選手が不在で、事前にどこが優勝するか、高校生で誰がドラフト上位に入ってくるのかが分からない年だった。

 そして注目の一二三投手が投手としては期待された投球ができず初戦で敗退するといよいよ混戦となる。近畿の注目投手だった神戸国際大附の岡本健投手も帝京の2年生で前年の甲子園で怪物の称号を授かった伊藤拓郎に投げ負ける。準決勝は山崎福也選手や吉永健太朗、畔上翔、高山峻、横尾俊建など翌年の全国メンバーが揃っていた日大三が、有原航平、上原健太の広陵を打ち破る。もう一試合は阿知羅拓馬の大垣日大が島袋洋奨の興南に大敗して散る。優勝したのは興南だった。

 再び1年生となった大瀬良大地投手は九州共立大のユニフォームを着て、春季リーグ戦の2戦目に早くもマウンドに登る。福岡教育大戦では7回を無失点に抑えて勝利すると、九州工業大戦では149km/hの速球で2安打完封勝利を挙げた。8試合に投げて5勝0敗、43回を投げて33安打38奪三振で優勝に貢献、ここから大瀬良大地投手の伝説が始まった。そしてスタンドには広島の田村恵スカウトが座っていた。

 

激突!!大学野球選手権

 大学野球界は斎藤佑樹、大石達也、福井優也が最終年を迎え稀に見る盛り上がりを見せたていた。大学野球選手権はその早稲田大や、東都の速球派投手・澤村拓一の中央大も出場できなかったのだが、東洋大の藤岡貴裕投手、東海大の菅野智之投手、慶応大の福谷浩司投手など、関東3リーグのエースが揃い盛り上がりの熱は冷めない。他にもリーグを代表するエースが出場していた。

 大学選手権1回戦の中央学院大戦、6回に2年生の川満寛弥投手が四球と味方のエラーでノーアウト1,2塁としたところで大瀬良投手が大学でも全国の舞台に立つと、いきなり151km/hを記録して神宮のスタンドをざわつかせる。3回を投げて3安打2三振無失点、力を出し切ったものの、チームは秋吉亮投手に完封されで初戦で敗退した。

 愛知学院大は初戦で創部4年目と出来たてで無名だった桐蔭横浜大と対戦する。浦野博司と東明大貴の初対決だった。浦野投手は最速142km/hのストレートが低めに決まり、フォークボールで6回に1点を許したものの8回まで11三振を奪う。しかし東明投手が4安打7奪三振、勝ち越した7回以降は3イニングで一人のランナーも許さず、浦野博司投手の9回裏を消し去る完封だった。東明投手は続く慶大戦で福谷浩司投手と投げ合い、6回までノーヒットピッチングを見せる。9回まで11奪三振の快投を見せたが9回にサヨナラで敗れた。

 同志社大は小林誠司捕手が春に指を痛めたものの、藤井貴之投手、平川貴大投手をリードして大学野球選手権に出場を果たしていた。大学選手権では東日本国際大戦で完封のリードを見せたものの、準々決勝では雨中で東海大の伊志嶺翔大にホームランを浴びると、菅野智之投手に7回をノーヒットノーランに抑えられ敗れる。小林誠司はこの大会6打数ノーヒットに終わり、菅野智之の凄さを目の当たりにした。

 各地のエースが輝きを放った大会だったが、決勝は本命の東洋大・藤岡貴裕と東海大・菅野智之が対戦し藤岡貴裕が優勝する。藤岡投手は翌年も連覇しプロへの道を歩む。

 

2010年夏、スカウトが注目した中学生 

 夏、一二三慎太投手がサイドスローになり話題となる中で開幕した夏の甲子園、甲子園初出場の松本工業と九州の雄・九州学院対戦で開幕した。初出場の高校にとって、甲子園での開幕試合は厳しい環境だった。先発した柿田裕太投手は1年生の萩原英之が4番を打つ打線に初回から4連打を浴びて3失点、その後も勢いは止まらず、2回に3点、3回に2点、4回に4点と屈辱的な投球内容で、初出場の喜びは熱い夏に涙に代わった。

 夏はサイドスローに転向した一二三慎太が決勝まで勝ち上がり意地を見せたが、島袋洋奨投手が春夏連覇を達成した。

 しかし注目した広陵・有原航平や中大・島袋洋奨は進学が濃厚と囁かれ、一二三慎太も肩の調子が悪く投手としては厳しいと判断されていた。高校生を追うスカウトにとっては嘆き声も聞かれたが、そんな中でスカウトの間で話題になっていた選手がいた。甲子園大会より一足早く8月2日から横浜スタジアムで行われた日本リトルシニアの日本選手権大会、優勝したのは青葉緑東、エースは左腕の松井裕樹投手だった。青葉緑東を訪れたある球団のスカウトは中丸監督に対して、「高校生を含めても関東NO.1」と話していた。

 甲子園終了後の8月23日からは全日本少年軟式野球大会が開催される。昨年秋に集められたいわき松風クラブは4番を打ったのは中央台南中の内田靖人、5番には勿来一中の園部聡が座る。1試合平均8点以上を奪う驚異の打線で全国大会に出場を決めていた。2回戦で敗れたものの、松井裕樹と同じ舞台に上った瞬間だった。

 

頭角

 松井裕樹投手、園部聡選手、内田靖人選手、東明大貴投手、秋吉亮投手、大瀬良大地投手、浦野博司投手が頭角を現した。松井裕樹投手は多くの高校からの誘いがあったが、大学進学も考えて桐光学園に進み、クリーンナップを打ったいわき市の二人、園部聡選手は地元の強豪・聖光学院に、内田靖人選手は茨城の強豪・常総学院に進み別れていった。しかしまた甲子園で戦える、二人はそう確信していた。それだけお互いを凄いと認めていた。3人は3年後、JAPANのユニフォームを着る。

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コメント

  1. 一二三のサイド転向は本当無駄だった
    もったいないことをしたよ