2013年ドラフト総決算~光明~

選手コラム 2013年ドラフトニュース

 2013年ドラフト会議、次々と舞台に上っていく候補たち、その中で、吉田一将、大瀬良大地、松井裕樹がドラフト会議の中心になっていく6年間のストーリー。第5章

2011年夏の記憶

 4月に高校に入学した1年生が、最初に登る事ができる全国の舞台は夏の甲子園大会だ。荒木大輔、桑田真澄、清原和博が活躍し高校野球のスターに登っていった。最近でも1年生で舞台に登り活躍を見せるものの、昔のように3年生まで5つ全ての甲子園大会に出場することは難しくなったのだろうか。最近、怪物やアイドルと言われた松坂大輔、田中将大、斎藤佑樹も1年生から甲子園で活躍した選手ではなかった。

 この年最後の甲子園のマウンドに立った伊藤拓郎投手は、1年生の夏の甲子園で148km/hを記録したものの、その重圧に苦しみ、フォームを崩してしまった投手だった。しかし最後の意地を見せて甲子園に帰ってきた伊藤拓郎投手とバッテリーを組んだのが、1年生の石川亮だった。

 先輩投手に様々なアプローチでリードをしようとするが、伊藤投手はそれに応える事ができない。花巻東打線に次々と点を奪われる。しかし7-7と打撃戦となった7回に、大谷翔平からセンターオーバーの2ベースヒットを打って出塁し、決勝のホームを踏んだのは石川亮だった。

 もう一人、1年生の捕手が活躍していた。作新学院・山下勇斗だ。大谷樹弘投手などをリードすると、打撃でも3回戦に4打数3安打、準々決勝では逆転の2点タイムリーヒットを放ち、1年生ながら5番を打ってチームをベスト4まで導いた立役者となった。

 日大三が吉永健太朗と強力打線で優勝したこの夏の甲子園、1年生の投手の怪物は登場しなかったがものの、二人の捕手が活躍した。この二人がこれから2年間で成長し注目され続けていくのかは分からない。しかし、結果的に2013年は、森友哉、内田靖人、若月健矢など、捕手の候補がクローズアップされる事になったのは偶然だろうか。

 

ブレーク

 東都リーグの秋季リーグが開幕する。開幕のカードで対戦したのは亜細亜大vs日本大、亜細亜大3年生になった大エースの東浜巨投手、そして日大は1部リーグ初登板の吉田一将だった。吉田は8回4安打8奪三振と好投する。一方、東浜巨投手は9回で7安打を許した。しかし2点を失った吉田は、0点で抑えた東浜を上回る事はできず、東都の大エースの洗礼を受けた。

 その吉田は次節に実力を見せる。中央大との3連戦、1年生の島袋洋奨と投げあった初戦は3安打8奪三振1失点で完投、3戦目は3安打5奪三振で完封し2勝を上げてブレークした。その後は王者・東洋大の藤岡貴裕には完敗、青学大では引き分け再試合など4連戦を戦い、勝利を挙げられなくなる。しかし、大学最後となる駒沢大との最終戦、白崎勇気と投げあった投手戦で吉田は9回5安打1失点で完投勝利、3勝目を挙げて締めくくった。白崎勇気とJR東日本でチームメイトになるのは翌年の事だ。

 

 他にもブレークした選手がいる。亜細亜大の186cmの大型投手、九里亜蓮は東浜に続く2戦目の先発となり、3勝0敗で防御率1.16を記録しリーグ3位となる。2年生の世代ではトップとなったかと思いきや、青学大の斎藤英輔はリリーフで151km/hを記録すると、先発にまわってフル回転し防御率は1.06を記録。九里を上回りリーグ2位となった。ちなみに1位は藤岡貴裕の0.93、6勝を上げる活躍でプロへと羽ばたいていった。

 

失意の中の光

 ドラフト会議というものは、プロを夢見た選手がプロ入りを実現する華やかな部分と、プロ入りを夢見たものの指名をされず失意に沈む部分の両面を持つ。この年のドラフトは菅野智之、藤岡貴裕、野村祐輔が大学BIG3として注目され、スポットライトの中に立っていた。その中で東海大の菅野智之は抽選の結果、北海道日本ハムが交渉権を獲得することとなり、巨人のユニフォームに憧れた投手は失意のどん底に落ちていた。

 また同じように、桐蔭横浜大の東明大貴も、秋のリーグ戦で7勝を挙げるなど活躍を続けプロ入りを確信し、プロ志望届を出して指名を待った。しかし、ドラフト会議で名前が呼ばれない。まさかの指名漏れとなってしまう。

 そんな二人がドラフト会議から約1週間後に対戦する。横浜市長杯、明治神宮大会に続いていく一戦だ。東明大貴は東海大をわずか2安打に抑えて1失点、菅野智之も大学1年からの経験で2失点に抑えたが2-1で東明大貴が勝利し明治神宮大会に出場した。

 1位指名をされた菅野智之と、指名されなかった東明大貴、二人の失意には大きな差があったのかもしれない。その後、菅野智之は浪人の道を選び1年早くプロ入りをする事になる。東明大貴は明治神宮大会では初戦で敗れたものの、富士重工入りし既に2年後に目を向けていた。

 明治神宮大会ではプロ志望届を提出せずにセガサミー入りを決めていた浦野博司投手の愛知学院大が山崎康晃の亜細亜大、小川泰弘の創価大をやぶり決勝に勝ち進む。決勝ではBIG3の一人、明治大の野村祐輔に完封され敗れたが、快進撃を見せて社会人に意気揚々と進んでいく。

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