2014年ドラフト会議はどんなドラフト会議だったのか

2014年ドラフトニュース

 2014年のドラフト会議が終了し、1年間以上の長い戦いが幕を閉しました。

 不作と言われ続けた今年のドラフト会議を少しだけ振り返ります。

本ドラフトでは昨年より5人増

今年のドラフト会議は昨年の76人よりも5人増えて81人、育成も含めると104人が指名されました。ちなみにやや豊作と言われた2012年は全体で70人(本ドラフト)と年々指名人数が増えています。

高校 大学 社会人 独立・その他 合計
投手 14(9) 14(12) 14(23) 4(2) 46(46)
捕手 4(4) 2(4) 0(3) 0(0) 6(11)
内野手 11(7) 3(5) 4(3) 0(0) 18(15)
外野手 2(4) 5(0) 4(0) 0(0) 11(4)
合計 31(24) 24(21) 22(31) 4(2) 81(76)

 

外野手、内野手が大幅増

 今年のドラフト会議、投手の指名人数全体では昨年と全く同数でした。そして増えたのは野手で、その中でも外野手が大幅に増えています。即戦力外野手としては大学・社会人の外野手は昨年は0人でしたが昨年は9人と大幅に増えました。ドラフト会議での野間峻祥選手が広島の1位、友永翔太選手が中日の3位、江越大賀選手が阪神の3位と上位で指名されています。

 外野手は捕手や内野手から転向する選手もおり、また打撃に特化した選手として外国人が守ったりと、全体的に指名人数の少ないポジションですが、今年は良い素材の選手がいた事や、各球団ともセンターラインの強化で足の速い外野手を、または打線の主軸を打てる長距離砲を欲しがったものと思われます。

 また内野手では高校生内野手が7人から11人に増えました。巨人がドラフト1位で岡本和真選手を指名し、オリックスが宗佑磨選手を2位で指名しています。各球団が将来のショートや4番を臨んだものとみられます。

 

捕手は減少も例年並み

 捕手は昨年に11人から6人に減少していますが、昨年は小林誠司選手や吉田裕太選手、梅野隆太郎選手など捕手の当たり年と言われました。2012年は6人で今年と同じでした。例年並みだったと言えるでしょう。

 

社会人投手が大幅減少

 社会人投手は2012年が17人、2013年が23人でしたが2014年は14人と減少しました。これは昨年や吉田一将投手や石川歩投手といった競合の可能性も有るほどの投手が揃っていたことや、昨年のドラフトも候補が少ない不作と言われ、各球団が即戦力となる社会人投手の指名を増やしたため、今年は社会人のドラフト候補が少なめとなりました。

 それでも横山雄哉投手や野村亮介投手といった高校卒3年目の選手が1位で指名されるなど、社会人投手の育成力にも今後は注目が集まりそうです。

 またその分高校生投手の数が増えており、各球団とも将来性のある投手の育成にポイントを置いたとみられます。

 

今年のドラフトは

 指名人数が増え、各球団ともおおむね満足出来た指名ができたように思われます。しかし今年はスカウトに取って苦しいドラフト戦線だったと思います。

 有原航平投手、安楽智大投手、高橋光成投手、松本裕樹投手、山崎康晃投手、山崎福也投手、石田健大投手などが4年時に故障や不調などで結果を出せない状態となり、その見極めに力を注いていたようです。また大瀬良大地投手といった地方の大学からの1位候補も今年はおらず、最終的にこれらの選手が全て上位指名に収まりました。

 スカウトは最終学年の活躍だけでは判断しません。高校生ならば2年生、大学生ならば3年生までの投球も見て判断をしていますが、まさにその通りとなりました。

 しかしそれらの投手を回避した球団もあり、野間峻祥選手、野村亮介投手、横山雄哉投手といった大学生、社会人を指名しましたが、この3人は素材型の選手と言え、評価が出されるのは3年後というところでしょう。巨人の岡本和真選手も3年後くらいから活躍が見られればと思います。

 

下位や育成で高校生を抑える

 また、今年は素質のある高校生の下位指名が多かったように思います。立田将太投手、高濱祐仁選手、脇本直人選手、飯塚悟史選手、桑原樹選手といった選手は、本来ならば大学や社会人で成長を見てから、という判断をしてもおかしくない選手だったと思います。

 これらの選手を下位で抑え、チームで育てていこうという事になっているようです。これは島袋洋奨投手や東浜巨投手などが大学で成長曲線を描けなかった事が関連しているのかもしれません。またはチームとチームの関係で指名をしたという事もありそうです。

 下位や育成で獲得した選手を、少なくとも大学に進んでいた場合に再びドラフト候補になる年数である4年間は見てほしいです。それよりも短い期間で解雇したのであれば、それはスカウトの目が無かったと評価して良いでしょう。それだけ厳しく見てほしいものです。

この記事を書いた人
yuki

 1996年よりドラフト会議ホームページを解説し、30年間に渡ってドラフト候補選手の分析や12球団のドラフト会議の指名を分析してきました。
 雑誌「野球太郎(http://makyu.yakyutaro.jp/)」にも執筆。
 2008年からはドラフト会議に関する情報を毎日投稿しており、2024年時点で23,000以上の記事書いています。
 また、ドラフト候補の動画とみんなの評価サイト(player.draft-kaigi.jp)では、みなさまがおすすめするドラフト候補選手が、これまでに3万5千人以上登録されておりその評価も行っています。

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