プロ野球の「フレッシュオールスターゲーム2025」が20日、香川県丸亀市で行われ、イースタン・リーグ選抜がウエスタン・リーグ選抜に3-1で勝利した。この試合で、今季からファームに新規参入したオイシックス新潟アルビレックス・ベースボール・クラブの知念大成外野手(25)が、先制の2ラン本塁打を含む2安打2打点の活躍で最優秀選手賞(MVP)に輝いた。新規参入球団からのMVP選出は初の快挙。昨年のドラフト指名漏れの悔しさをバネに、25歳の遅咲きの星が大きな輝きを放った。
阪神ドラ2から先制2ラン!「とても新鮮で、乗せてもらうことができた」
諦めない男の一振りが、試合を決めた。初回1死一塁のチャンスで、「3番・DH」として打席に立った知念大成選手。対するはウエスタン選抜先発の阪神ドラフト2位ルーキー・今朝丸裕喜投手。その今朝丸投手が投じた133キロのフォークをフルスイングで捉えると、打球は右中間スタンドへ吸い込まれる特大の先制2ラン本塁打となった。「狙っていました。真芯で捉えることができて、あとは角度だけかなと思っていましたが、意外と飛んでくれたので良かった」と、会心の一撃を振り返った。
空振りでもフルスイングを貫くその姿に、スタンドからは大きな歓声が送られた。「とても新鮮で、乗せてもらうことができた」と、その声援を力に変えた。途中交代の選手が多い中、フル出場を果たし、8回にはライト前へヒットを放ちマルチ安打を記録。スター候補たちが集う夢の舞台で、最高の結果を残した。
ドラフト指名漏れの悔しさバネに「自分を見つめ直す時間が増えた」
昨季、イースタン・リーグで打率.323を記録し、首位打者に輝いた。今季も前半戦を打率.291のリーグトップで折り返すなど、実績は十分。しかし、昨秋のドラフト会議でその名前が呼ばれることはなかった。「悔しくてそこから自分を見つめ直す時間が増えた」。その悔しさが、25歳の打者をさらに強くした。
沖縄尚学高校卒業後、社会人の沖縄電力で5年間プレー。3年目には投手から外野手に転向した異色の経歴を持つ。「プロになれてもなれなくても、野球っていうのは自分の中で一生懸命やるっていうのは決めている」。その信念を胸に、ひたむきにバットを振り続けてきた。
賞金100万円は「自己投資に」NPB入りへ
MVPの賞金100万円の使い道を問われると、「野球をうまくなるために自己投資に回していきたいです」と、バットや手袋などの野球道具の購入に充てたいと語った。その視線は、すでにはるか先を見据えている。「いくつになっても上の舞台っていうのを目標に」。この輝きをステップに、知念大成はNPBという夢の舞台を目指す。
なお、この試合では阪神の育成ルーキー・工藤泰成投手(23)が自己最速を2キロ更新する161キロをマークするなど、多くの若手選手が躍動した。
知念大成選手 プロフィール
- 氏名:知念 大成(ちねん たいせい)
- 生年月日:2000年4月27日
- 出身地:沖縄県
- 経歴:沖縄尚学高校 – 沖縄電力 – オイシックス新潟アルビレックス・ベースボール・クラブ
- 投打:左投左打
- 身長・体重:181cm・75kg
- ポジション:外野手
- 主な特徴や実績:2025年フレッシュオールスターゲームでMVPを受賞。新規参入球団からは初の快挙。阪神・今朝丸投手から先制2ランを放つ。2024年にイースタン・リーグで首位打者を獲得。社会人3年目に投手から外野手に転向。






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