札幌学生野球リーグも開幕を迎え、今年のドラフト上位候補でもある道都大・佐藤峻一投手が東海大北海道戦に先発すると、最速146kmのストレートで7回までノーヒットノーラン、結局9回を3安打13奪三振で完封勝利を挙げた。
この試合には埼玉西武や北海道日本ハム、中日、広島、福岡ソフトバンクなど5球団のスカウトが視察に訪れ、埼玉西武・野田スカウトは「キレ、球質がいいし、安定感もある」とコメントすると、北海道日本ハム・白井スカウトも「投球フォームもしっかりしている。次の試合も楽しみ」と話し、高い評価を受けた。
佐藤投手は今年のドラフトでドラフト1位クラスに次ぐ評価を受けており、外れ1位か2位で間違いなく指名される。
最後の打者を打ち取った佐藤峻は、右の拳をグッと握り締めた。2季連続王者を狙うチームの大事な初戦。エースの仕事を果たし終えると、ガッツポーズをしながらマウンドを降り、笑顔で仲間とタッチを交わした。
圧巻の投球だった。この日は、プロ5球団がネット裏から視察する中、5回の3者連続三振を含む13奪三振。7回まで無安打投球と本領を発揮し、最速は146キロをマークした。「初戦にしてはまずまずでした」と納得の表情で振り返った。
投球を視察した西武・野田スカウトは「キレ、球質がいいし、安定感もある」と話すと、日本ハム・白井スカウトも「投球フォームもしっかりしている。次の試合も楽しみ」と評価。目標としているプロ入りに向けても、大きなアピールになった。
春季リーグ後、投手陣の間で1失点ごとに5キロを走り込むノルマを設定しレベルアップ。合計失点の距離を換算すると約40キロほどになったため、ポール間ダッシュに変更。約1週間で計266本のダッシュをこなし、下半身の強化に励んできた。山本文博監督(56)も「初戦にしてはよかった。自信を持って投げている」と好投に笑顔を見せた。
春季リーグでは4試合34回を投げ自責点0。これを今季通算43イニングに伸ばした。佐藤峻は「何も考えずに楽しみながらやりたい」と最後の秋に、さらなる飛躍を目指す。
打者一巡した5回、佐藤峻のスイッチが入った。この秋から1部昇格した東海大北海道は初めて対戦するチーム。4回までは相手打者の特徴を探るように慎重な投球を見せていたが、7番打者から3者連続三振。8、9番打者は3球ずつで仕留めた。終わってみれば5回以降に11個の三振ラッシュで計13奪三振。128球、散発3安打で三塁を踏ませずに完封した。
「まずまずでした。ストレートが走ってたし、5回ぐらいから調子が上がってきました」と声を弾ませた。今春リーグでも札幌学院大との開幕戦で3安打、7奪三振の完封を見せたが、この日の投球には成長の跡がうかがえた。春は5回に暴投するなど突然の乱調でたまらず、山本文博監督(56)がベンチを飛び出して行くシーンがあった。この日、山本監督は「ピンチになっても、バタバタしなくなった。安心していられた」と、8回に1度マウンドに確認に行ったのみだった。
スタンドには西武、中日、広島、ソフトバンク、日本ハム5球団のスカウトが陣取り熱視線を送った。佐藤峻への高評価は変わらなかった。6月の全日本大学選手権(神宮)では1回戦の国際武道大戦で完投勝利。しかし2回戦の創価大戦でフォークやカーブを本塁打された。12日のJR北海道との北海道アマチュア野球王座決定戦でも、社会人選手に打ち込まれた。トップレベルに通用するためには、もっと細かな制球力が必要であることも実感した。 全文はニッカンスポーツ・コムのサイトをご覧ください。
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