横浜DeNA、昨年ドラフト9位の伊藤拓郎投手が巨人戦デビュー

伊藤拓郎, 帝京高

 昨年(2011年)のドラフト会議の本指名(育成ドラフト会議の前)で指名された72人の選手のうち、一番最後に名前が呼ばれたのが、横浜ベイスターズ9位、帝京高校出身の伊藤拓郎投手だった。そして9位にも関わらず、会場からは歓声があがった。

 帝京高・伊藤拓郎投手は波乱万丈だった。1年生の夏に甲子園・敦賀気比戦で9回2アウトから登板すると最速147km、140km後半を連発し、続く九州国際大付戦では同じくリリーフとして2回1/3を投げて2安打2奪三振で無失点、148kmを記録した。怪物誕生と騒がれたが、その数字がたえず付きまとって2年生になるとフォームを崩し、甲子園で登板は見せるものの1年生の時のような迫力は消えていた。

 ドラフト時には9位指名だったがどうしてもプロ入りしたいと思っていた伊藤投手は最後の最後の指名に涙を流して喜んだ。そして、プロ1年目を迎えた。釜田佳直投手や高城俊人選手など同学年の選手が1軍で活躍を見せる中、シーズン後半までは2軍でも登板せず、体力づくりとBCリーグとの交流戦で登板した。

 そして8月、21日のイースタンリーグ・北海道日本ハム戦で9回1イニングをノーヒットに抑えると、9月24日のイースタンリーグ・巨人戦でプロ初先発、5回を5安打2奪三振も無失点で投げきり勝利投手となった。

 9月30日のイースタンリーグ・埼玉西武戦では先発し7回を投げて3安打2奪三振で無失点と、これまで13イニングを投げて無失点、ヒットも9本しか許さない抜群の安定感で1軍昇格を決めた。

 ドラフト9位で指名された伊藤選手がドラフト1位指名の北方悠誠投手など上位指名の投手よりも先にデビューする。プロに入ってしまえば、投球機会の恵まれ方に違いはあれど、みな横一線となる。オリックスではこの日、2006年高校生ドラフト1位・延江大輔選手、2007年高校生ドラフト1位・丹羽将弥選手、2007年大社ドラフト1位・小林賢司選手、2008年ドラフト1位・甲斐拓哉投手に戦力外通告を行った。

 高校生でドラフト1位指名された選手でも力を示せなければ5年を持たずに戦力外となる厳しい世界で、チャンスをつかんだ伊藤拓郎投手にエールを送りたい!

 

 

甲子園沸かせた元帝京・伊藤 巨人戦デビューへ - スポーツニッポン:2012/10/05

  DeNAドラフト9位の高卒ルーキー伊藤が、5日からの巨人3連戦(東京ドーム)でプロデビューする。この日の投手陣練習で1軍初合流。友利投手コーチは「まずは中継ぎで度胸試し。巨人戦でプロの空気を味わってもらう」。

 

 帝京では1年夏の甲子園で148キロを計測して騒がれた右腕だが、昨秋ドラフトは全体で最後の72番目で指名された。「同期入団の投手はみんなライバル」という19歳が、どん尻から駆け上がる。


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