オリックスはこの日、牧田勝吾編成部副部長と下山真二スカウトが近畿大を訪問し、佐藤輝明選手に、昨日のスカウト会議で1位指名をすることを決めたと報告した。
異例
オリックスはこの秋に一度、佐藤輝明選手に調査書を手渡す際に面談をしているが、この日は牧田編成部副部長と担当の下山スカウトの2人で再び訪問し、ドラフト1位指名をすることを直接伝えた。1位指名を決めた後に選手本人に報告をすることは異例と言える。
この日の訪問で牧田編成副部長は、「昨日の今日で、思いを伝えたいと思ってきました。大阪の球団なのでぜひユニホームを着て欲しい」と佐藤選手に想いを伝えた。また、「バットの軌道がシンプルでスムーズ。楽しみという言葉を随時に出されているのでGMも佐藤君にほれている」と福良GMの想いも伝え、「12球団全部が欲しい選手ということは分かっている。1年目から打率2割7~8分、15本塁打。数年後には30、40発打てる。将来的には球団をではなく、日本を代表するスラッガーになる。」と期待について話した。
昨日の1位指名公表にはゲン担ぎもあった。昨年のドラフトでは奥川恭伸投手についてヤクルトが、佐々木朗希投手に千葉ロッテが、そして石川昂弥選手については中日が一番最初に1位指名を公表し、抽選では見事にその球団がくじを引き当てている。牧田氏は「データは分かっていた。競合は片手くらいは来るのでは。関西にこれだけの選手がいるのに、見過ごす訳にはいかない。一番先に公言しただけに、勢いよく26日に進むのが、うちがドラフトで成功することじゃないかと」と話した。
この訪問は佐藤選手にも響いた。兵庫県西宮市出身という事もあり、地元の球団として見てきた。この日の訪問後には、「ありがたいこと」と感謝し、「打者では吉田正尚選手がずばぬけている。投手も年が同じ山本由伸がすごい。村西さんもいますし」と、手本となる打者、同い年の選手、そして大学の先輩と、数々の縁について話した。
この日は、1位を有力としている埼玉西武、そして東京ヤクルトも調査書を持参したが、これもあってか面談はせずに練習の視察だけとなった。埼玉西武は報道で「大トリで訪問して気持ちを掴みたい」というように書かれていたが、オリックスの先制にその雰囲気が消し去られた。
ドラフト当日までに何球団が佐藤選手の1位指名を決め、その中でどのくらいが1位指名を公表するのか。そしてこのオリックスの想いが当日のくじ引きにつながるのか。注目される。

関西学生リーグタイ記録となる通算13本塁打の長打力に加え、高いレベルでそろえる守備、走塁も高く評価。今年3月のオープン戦を直接視察した福良淳一GMも試合ごとの映像を確認するなど、常に動向を注視してきたという。三塁手としての構想を持ち、1年目からの活躍を期待。そのうえで「12球団全部が欲しい選手ということは分かっている。将来的には球団を…ではなく、日本を代表するスラッガーになる」と絶賛は止まらなかった。
昨年のドラフトではヤクルト奥川、中日石川昴、ロッテ佐々木朗と1位競合の3選手はいずれも一番先に指名を公言した球団が引き当てた。佐藤も競合確実な中、牧田編成部副部長は「(昨年の)データは分かっていた。競合は片手(5球団)くらいは来るのでは。一番先に公言しただけに、勢いよく(ドラフト当日の)26日に進むのが、うちがドラフトで成功することじゃないかと」と、昨年のデータにもあやかっての公言だと明かした。


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