オリックスは健大高崎・石垣元気投手の抽選に敗れるも、外れ1位で九州No.1右腕、延岡学園の藤川敦也投手(18)の交渉権を獲得した。この日は偶然にも藤川投手の18歳の誕生日。「ビックリが一番」と語る吉報に、小学4年で亡くした父への思いを馳せ、涙を流した。ドジャース・山本由伸投手を育てた恩師からは「ポテンシャルは藤川が上」と絶賛される逸材が、偉大な先輩の背中を追う。
誕生日に天国の父へ捧げる涙
人生で最も忘れられない誕生日となった。健大高崎・石垣投手を巡る抽選を外したオリックスは藤川敦也投手を指名した。岸田監督が「世界に羽ばたく投手に」と祝福のメッセージを送ると、会見場の藤川投手は涙を流した。
その涙は、天国の父・真一さんへの思いだった。小学4年の時に病気で父を亡くし、以来、女手一つで育ててくれた母・七恵さんへの感謝があふれた。「お父さんに伝えたいと思いました。今まで支えてくれて、ありがとうと言いたいです」。元球児だった父が、球界再編時に選手会長として戦う古田敦也氏に感激して名付けた「敦也」という名前。父とのキャッチボールの記憶を胸に、プロの世界へ進む。
山本由伸の恩師が「由伸以上」と断言
藤川投手を指導した延岡学園の森松賢容部長は、かつて都城高校でドジャース・山本由伸投手を育てた人物だ。その恩師は、二人の成長曲線を比較し、「本当に成長曲線が似ていてポテンシャル、体の強さは間違いなく藤川が上」と、高校時代の山本投手をも上回ると絶賛する。
森松部長を通じて、山本投手本人からも「プロに入って会えるのを楽しみにしている」というメッセージを受け取ったという藤川投手。「知っていただけているのはうれしい。山本投手のように、オリックスでエースを任されるピッチャーになりたい」と、偉大な先輩を目標に、将来のエース襲名を誓った。
高卒投手育成にこだわる「ワクワクプラン」
抽選には敗れたものの、オリックスのドラフト戦略はブレなかった。1位・藤川投手をはじめ、3位まで高校生投手を指名するなど、支配下7人中5人を高校生が占めた。福良淳一GMは「最高のドラフトだったんじゃないですか。ワクワクプランです」と満足げに語り、「3位までの子は結構早く出てくるのではないか」と期待を寄せた。山本、宮城、山下と、高卒投手を球界のエースに育て上げてきたオリックスで、藤川投手、森陽樹投手、佐藤龍月投手がそれぞれその系譜を受け継いでいく。
NO.1の石垣投手にはドラフトでも先を行かれた。それでも大型右腕として石垣投手に持っていないものも持っている。いつかNO.2の逆襲を、vsロッテの試合で見せたい。
藤川 敦也 プロフィール
- 氏名:藤川 敦也(ふじかわ あつや)
- 所属:延岡学園高校 3年
- 出身:福岡県飯塚市
- ポジション:投手
- 投打:右投右打
- 身長・体重:183cm・88kg
- 主な特徴や実績:2025年ドラフト1位(オリックス)。最速153キロを誇る九州No.1右腕。山本由伸投手の恩師から「ポテンシャルは由伸以上」と評される。











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