広島東洋カープからドラフト1位指名を受けた仙台大学の平川蓮外野手(21)が28日、地元・札幌市内のホテルで入団交渉に臨み、契約金1億円プラス出来高払い5000万円、年俸1600万円(金額は推定)という新人最高条件で仮契約を結んだ。背番号は、鈴木誠也選手や小園海斗選手が背負った出世番号「51」に決定。187cm93kgの大型スイッチヒッターは、「右は誠也さん、左は小園さん」というハイブリッドな理想像を掲げ、セ・リーグ初となる「両打ちでのトリプルスリー」という偉業に挑む。
誠也+小園=平川蓮? 「51」の系譜を継ぐ男
鯉の出世番号「51」を託された平川蓮選手が、スケールの大きな目標をぶち上げた。「左打席ではシャープにスイングして、右打席ではパワフルにフルスイングする。左では小園さん、右では鈴木誠也さんみたいな感じ」。
かつてこの番号を背負い、世界へ羽ばたいた鈴木誠也選手(カブス)のパワーと、今季首位打者を獲得した小園海斗選手のテクニック。二人の偉大な先輩の特長を併せ持つ「究極のスイッチヒッター」を目指す。そして見据えるのは、「両打席でトリプルスリーとか、誰もしなかったことをやってみたい」という前人未到の領域だ。
「3月31日生まれ」の早生まれ、無限の伸びしろ
平川選手は2004年3月31日生まれ。あと2日遅ければ現大学3年生の学年になるという早生まれだ。高校時代は投手だったが、大学入学後に野手転向、そして右肘のケガを機に左打ちに取り組み、2年秋から両打ちに挑戦をした。仙台大ではリーグ戦で3年春以降に9本塁打を放っているが、右打席で1本、左打席で8本のホームランを放つ。飛距離は右のほうが出るというが、左でもホームランを打てる。
187cm93kgという恵まれた体格と、50メートル5秒8の俊足、遠投120メートルの強肩を兼ね備える身体能力は圧倒的で、父であり、北海高校野球部監督の敦氏も「まさかプロとかドラフト1位とか、そこまでは全く思っていなかった」と驚くほどの急成長を遂げた。「フィジカル面ではまだ通用しない」と語る本人は、スクワット140キロなどハードなトレーニングでさらなる進化を求めている。
教育実習も完遂、文武両道のスター候補
指名後の11月には、母校・札幌国際情報高で教育実習を行い、保健体育の教員免許取得の目処も立てた。生徒からのサイン攻めにも笑顔で応じ、「サインの価値が上がればいいなと思う」と語った平川選手。
「全力プレーで、球場全体を盛り上げられる選手になっていきたい」。北の大地で育まれた規格外の原石が、広島の地でダイヤモンドのように輝く日を夢見て、プロの世界へ飛び込む。
日米大学野球でも平川選手が打順の中にいると、相手投手の左右に影響されることがなく勝負でき、スイッチヒッターの価値を十分に感じさせる活躍を見せた。外野手として好捕も見せるなど、動きの良さも素晴らしいものがあった。球界屈指のスイッチヒッターとして活躍をして欲しい。
平川蓮 プロフィール
- 氏名: 平川 蓮(ひらかわ・れん)
- 所属: 仙台大学(21歳)
- 出身: 北海道札幌市(札幌国際情報高校卒)
- ポジション: 外野手
- 投打: 右投両打
- 身長・体重: 187cm、93kg
- 主な特徴や実績: 走攻守三拍子揃った大型スイッチヒッター。50m5秒8の俊足とパンチ力が武器。大学リーグでは本塁打王、打点王、盗塁王を獲得し3冠に輝く。父は北海高監督の平川敦氏。2025年ドラフト会議で広島東洋カープから1位指名を受ける。背番号は51。












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