中日は青山学院大学の中西聖輝投手（21）を単独1位指名し、交渉権を獲得した。井上一樹監督がドラフト会議終了後に即座に大学を訪問し指名あいさつを行うなど、甲子園と大学で日本一を経験した「勝てる投手」に大きな期待を寄せた。
井上監督、一本釣りに安堵＆即あいさつ
昨年は4球団競合の末に大学生NO.1左腕の金丸投手を引き当てた井上一樹監督は、今年は大学NO.1右腕の中西聖輝投手の一本釣りに成功した。ドラフト会場から即座に東京都内の青山学院大学キャンパスへ向かい、交渉権獲得から間を置かずに対面した。
指揮官は「手が大きいなと思った。いろんな球種を操れるのも分かる」と逸材のフィジカルに触れ、「ローテーションを守ってほしい。ヤングドラゴンズのローテーションはすごいと言ってもらえるように」と、高橋宏斗投手や金丸夢斗投手らと共に、先発陣の柱となることを期待した。
高校・大学で日本一、「勝つ」投手
中西投手は、智弁和歌山高校3年夏に甲子園優勝投手となり、青山学院大学では昨年に4冠（春夏リーグ、大学選手権、神宮大会）を達成。「どのステージでも1番になる気持ちでプレーをしています」と胸を張る、まさに「勝つ」ことを知る投手だ。青学大の安藤寧則監督も「いい投手はたくさんいるけど、彼は“勝つ”投手」と太鼓判を押す。
指名を受けた中西投手は「素直にうれしい。ドラゴンズは素晴らしい投手が数多くいる。そこに割って入れるようにアピールして早く肩を並べて投げたい」と決意を新たにした。
TJ手術を乗り越え、プロの舞台へ
中学時代には、橿原磯城シニアで巨人・岡本和真選手らのプレーを目の当たりにし、「本気で僕もこうなりたい」とプロを意識。高校で大活躍をしたものの、大学入学前には右肘のトミー・ジョン手術を受け、リハビリからのスタートとなった。優勝投手のプライドを捨てて地道な努力を重ね、「チームのために腕を振ることを学んだのが大学です」と、精神的にも大きく成長。春はエースとして9試合に投げて3試合に完投、6勝2敗の成績を残している。
これまで東都リーグでこれだけ実績があれば、ドラフト会議では指名競合は確実だった。その投手を単独1位指名できたことは、本当に素晴らしいことだった。中日でもエースとして、右の高橋・中西、左の金丸の3本柱でセ・リーグを席巻する。
中西 聖輝 プロフィール
- 氏名：中西 聖輝（なかにし まさき）
- 所属：青山学院大学 4年
- 出身：智弁和歌山高校
- ポジション：投手
- 投打：右投右打
- 身長・体重：182cm・90kg
- 主な特徴や実績：2025年ドラフト1位（中日）。最速152キロ。2021年夏の甲子園優勝投手。青山学院大学では2024年に4冠を達成。大学入学前にトミー・ジョン手術を経験。
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