前日に中日からドラフト1位指名を受けた青山学院大学のエース・中西聖輝投手(21)が24日、リーグ優勝がかかる大一番で圧巻の投球を披露。視察に訪れた井上一樹監督の御前で、8安打12奪三振、127球の熱投で完封勝利。チームを史上3校目となる6季連続リーグ優勝に導き、自身も2季連続のMVPに輝いた。
中2日、志願の127球で掴んだ6連覇
ドラフト1位にふさわしい、エースのプライドが詰まった127球だった。右肘の炎症で約1ヶ月離脱し、復帰登板となった21日の試合では120球を投げサヨナラ負けを喫していた。負ければ優勝が遠のく中2日での大一番。安藤寧則監督が「大丈夫か?ケガだけはしてほしくない」と状態を心配する中、「行かせてください」と志願してマウンドに上がった。
中西聖輝投手は、「エースとして情けない試合をした。僕が諦めたらチームが終わってしまう」と、気迫の投球を展開。得点圏に5度走者を背負いながらも、要所をフォークボールなどで締め、12個の三振を奪った。9回2死、最後の打者を見逃し三振に仕留めると、片膝をついて万歳。歓喜の輪の中心で、特別な思いを噛み締めた。
井上監督「ヤングドラゴンズで競争を」
ドラフト翌日、中日の井上一樹監督はさっそく神宮球場を訪れ、1位指名した右腕の投球を見届けた。
中日・井上一樹監督:「大学生であれだけの球種を投げられて、まとまっている。中2日で、万全ではない中でたいしたもの。(高橋)宏斗や(金丸)夢斗。チームYD(ヤングドラゴンズ)で競争してほしい」
指揮官は即戦力として先発ローテーション入りを期待する言葉を送り、その熱投を絶賛した。
“ミスター日本一”がプロの舞台へ
智弁和歌山高校時代に夏の甲子園を制し、青山学院大学でも昨年に大学4冠を達成。「どのステージでも1番になる気持ちでプレーをしています」と語る右腕は、まさに「勝てる投手」だ。ドラフト指名の翌日にも関わらず、「スッキリ目覚めてから野球のことに集中できた」と、見事にオンとオフを切り替え、最高の結果を出した。
中日からの1位指名に、「初めから戦力になることが目標です」と力強く宣言。大学最後の明治神宮大会で「日本一になって恩返しがしたい」と語る“ミスター日本一”が、万全の状態でプロの舞台へ挑む。
中西 聖輝 プロフィール
- 氏名:中西 聖輝(なかにし まさき)
- 所属:青山学院大学 4年
- 出身:智弁和歌山高校
- ポジション:投手
- 投打:右投右打
- 身長・体重:182cm・92kg
- 主な特徴や実績:2025年ドラフト1位(中日)。最速152キロ。東都リーグ6連覇に貢献し2季連続MVP受賞。2021年夏の甲子園優勝投手。

























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