読売ジャイアンツからドラフト1位指名を受けた鷺宮製作所の竹丸和幸投手（23）が20日、埼玉県川越市内のホテルで入団交渉に臨み、契約金1億円プラス出来高5000万円、年俸1600万円（金額は推定）で仮契約を結んだ。背番号は、高橋一三氏や宮本和知氏、高橋尚成氏ら歴代の左腕エースが背負った「21」に決定。最速152キロを誇る社会人No.1左腕は、1年目の目標として「開幕ローテーション」と「貯金5」、そして宿敵・阪神タイガースの主砲・佐藤輝明選手との対戦を熱望した。
伝統の「21」を継承、「この番号といったら竹丸」へ
提示された背番号は、巨人軍におけるサウスポーのエースナンバー「21」だった。高橋一三投手、宮本和知投手、高橋尚成投手といった名投手たちが背負い、かつては藤田元司や堀内恒夫が入団時に着けた出世番号でもある。
水野雄仁編成本部長から「格好いいなと。似合うんじゃないかと」と期待を込めて渡されたユニホームに袖を通した竹丸和幸投手は、「とても良い番号をいただいたので、この番号といったら竹丸といってもらえるように頑張っていきたい」と堂々宣言。「今まで偉大な選手がつけてきた番号なので、その番号に恥じない選手になりたい」と、左のエースへの成長を誓った。
独自の「貯金理論」、10勝より価値ある「貯金5」
クレバーな左腕は、目標設定も具体的かつ合理的だ。1年目の目標に掲げたのは勝利数ではなく「貯金5」。「10勝しても10敗したら意味がない。優勝するためには8勝3敗の方がいいのかなと思うので、貯金5つにしました」と、チームの優勝に直結する貢献を誓った。
阿部慎之助監督も「全てのボールが素晴らしい。即戦力として見ているけれど、まだまだ伸びしろも感じる」と高く評価。竹丸投手自身も「体力の貯金」にも余念がなく、連日の走り込みとウエートトレーニングでプロのシーズンを完走する準備を進めている。
標的は阪神・佐藤輝明、開幕カードでの激突熱望
見据える先には、宿敵の姿がある。プロで対戦したい打者を問われると、「佐藤輝明選手と一番対戦したい」と即答。「今シーズンの2冠王ですし、本当に一番いい打者だと思います」と、リーグ王者の主砲に挑戦状を叩きつけた。
来季の開幕カード（3月27日〜、東京ドーム）の相手は阪神。「もちろん最初の3枚に入れたらベスト」と開幕ローテ入りしての伝統の一戦デビューに意欲を見せる。敵地・甲子園での登板についても「アウェー感がすごい強いと思う。押しつぶされないように、しっかり投げたい」と覚悟を決めている。
私生活も堅実な「貯金家」、契約金は恩返しの寄付へ
マウンド上ではポーカーフェースを貫く竹丸投手だが、私生活でも堅実だ。「いらないものは買いたくないのできっちりやっています」と語る倹約家で、性格分析も「衝動買いはあんまりしないタイプ」。
しかし、手にした契約金の使い道については「1つ考えているのは、今まで小学校から野球を続けてきて小、中、高、大、社会人といろんなチームにお世話になった。そこへの寄付は考えています」と即答。自身の成長を支えてくれた恩人たちへの感謝には、出し惜しみしない男気ものぞかせた。
竹丸和幸 プロフィール
- 氏名： 竹丸 和幸（たけまる・かずゆき）
- 所属： 鷺宮製作所（23歳）
- 出身： 広島県広島市（崇徳高－城西大）
- ポジション： 投手
- 投打： 左投左打
- 身長・体重： 179cm、75kg
- 主な特徴や実績： 最速152キロの直球と多彩な変化球（チェンジアップ、スライダー、カーブ、カットボール）を操る即戦力左腕。ゲームメイク能力に優れ、社会人野球での実績も十分。2025年ドラフト会議で読売ジャイアンツから1位指名を受ける。趣味は一人カラオケ。
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