第98回選抜高校野球大会は出場32校がすべて初戦を終え、読売ジャイアンツの榑松伸介スカウトディレクター(SD)が、出場した選手の評価をしている。山梨学院(山梨)の菰田陽生選手が放った衝撃の一発に、かつてのジャイアンツの主砲の姿を投影。また、横浜の池田聖摩選手に見る「守備の完成度」や、次代を担う2年生左腕たちの台頭など、秋のドラフト会議に向けた評価の一端を示した。
「岡本和真を思い出した」山梨学院・菰田陽生の初スイング弾に衝撃
榑松SDが真っ先に名前を挙げたのは、山梨学院の主将、菰田陽生選手(3年)だった。長崎日大との初戦、初回の第1打席で投じられた初球のカーブを完璧に捉え、左翼席へ叩き込んだ「初スイング本塁打」。この一振りは、プロの編成トップに強烈な既視感を与えた。
巨人・榑松伸介スカウトディレクター:「最初に挙げたいのは、大ホームランを放った山梨学院の菰田君ですね。初戦のファーストスイングで、見る者の度肝を抜いた。岡本和真選手(ブルージェイズ)が智弁学園で初めて甲子園に出た時(14年センバツ)、三重との初戦の第1打席に本塁打を打った場面を思い出しました。」
194センチ、102キロという恵まれた体格から放たれた打球の質、そして勝負強さ。残念ながら負傷により今後の出場は不透明となったが、榑松SDが、2014年に巨人がドラフト1位指名をしている岡本和真と重ね合わせたことで、ドラフト会議の指名の可能性が見え始めた。
BIG3の「成長」と「進化」。織田翔希の躍動、末吉良丞の巧みな投球術
大会前から注目された「BIG3」のうち、初戦で姿を消した横浜の織田翔希投手(3年)と沖縄尚学の末吉良丞投手(3年)についても、榑松SDは成長の跡を読み取っている。
巨人・榑松伸介スカウトディレクター:「末吉君は変化球を上手に使い、昨年の『剛』だけでなく『柔』の部分も見せました。織田君はフォームに躍動感が加わり、ストレートの威力が増していた。」
最速154キロを誇る織田投手のボールの伸びや、150キロ左腕・末吉投手の投球の幅を評価、昨年のセンバツ、夏の甲子園でそれぞれ実績を既に持っている2人の投手も、順調に成長しているとした。
「最も株を上げた」杉本真滉、そして池田聖摩の「プロ即戦力級」の守備
1回戦で評価を急上昇させたのが、花巻東を完封した智弁学園のエース、杉本真滉投手(3年)だ。制球力の向上と力強い直球を、榑松SDは高く評価した。
巨人・榑松伸介スカウトディレクター:「投手で最も株を上げたのは、智弁学園の杉本君でしょう。打力のある花巻東を力でねじ伏せました。」
また、野手評価で一際輝いたのが、横浜の池田聖摩選手(3年)のディフェンス能力だった。榑松SDはその卓越した守備センスに対し、「プロ」という言葉を使って賛辞を送った。
巨人・榑松伸介スカウトディレクター:「野手でずば抜けていたのは、横浜の池田君。守備だったら、プロでもすぐに通用するくらいの力を持っています」
確実なスローイングと広い守備範囲。打撃が注目されがちな高校野球において、守備という「絶対的な計算」ができる能力の高さは評価される。池田選手は高校卒でプロ志望という情報も伝わっており、ドラフト3位前後で指名される可能性がある。
2027年ドラフトの目玉へ。川本、岩見、小林の「185cm超サウスポー」3羽ガラス
そして来年(2027年)のドラフト戦線も見据えている。今大会の1回戦で特に目を引いたのは、2年生左腕たちのスケールの大きさだった。大阪桐蔭の川本晴大投手、九州国際大付の岩見輝晟投手、そして横浜の小林鉄三郎投手の3名だ。
巨人・榑松伸介スカウトディレクター:「2年生では、大阪桐蔭・川本君、九州国際大付・岩見君、横浜・小林君に魅力を感じました。皆、身長185センチ以上のサウスポー。スケールが大きく、来年は『BIG3』と呼ばれているかもしれません」
特に熊本工を完封した川本投手のボールについては、他球団からも「プロの球」との声が上がるほど。角度と威力を兼ね備えた大型左腕たちの台頭は、今後の高校野球界の勢力図を大きく変える可能性を秘めている。
1回戦が終わり、浮き彫りとなった各校の主役たちの「現在地」。菰田陽生選手のスラッガーとしての評価とBIG3の確かな成長、そして池田聖摩選手の卓越した守備。この春の評価が秋のドラフト会議にどの様につながっていくのかが注目される。









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