ソフトバンク・永井スカウト部長の高校生・大学生の評価、沖縄尚学・末吉投手や明治大・毛利投手など地元選手など注目

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10月23日のドラフト会議まで1ヶ月あまりとなり、各球団の指名候補選手の絞り込みが本格化している。西スポWEB OTTO!では、福岡ソフトバンクホークスの永井智浩編成育成本部長兼スカウト部部長が、今夏の甲子園を沸かせた高校生を中心に、気になる逸材たちの評価を明かしている。

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甲子園で光った逸材たち、特に2年生にスター候補が多数

永井部長は、甲子園という大舞台で実力を発揮できるかというメンタル面を重視していると語る。その上で、今年のドラフトの目玉として健大高崎の石垣元気投手を挙げ、「ポテンシャルは間違いない。上位クラスです」と断言。「真っすぐも155キロぐらい投げますし、何よりカットボールがいい。140キロを超えるカットを投げられる高校生は、今まであんまり見たことはないです。」と140キロ前後のカットボールを評価、「高校生でいいカットを投げられて135ぐらいじゃないですかね。もうプロですよ。」とプロレベルとした。

3年生では未来富山の江藤蓮投手が「今回の甲子園では、あんな姿だったんですけど」と、高川学園高との初戦で6回途中を被安打11の8失点で敗退したものの、気になった投手とし、「大きな体でありながら、制球力もある。大味な感じで、勢いがあって、四球を出して崩れてしまうみたいなタイプではありません。」と評価した。

一方で、今年は特に2年生にスター候補が多いとし、しかも地元九州出身の横浜・織田翔希投手について、「北九州市出身ですからね。今度はホークスに帰って来いよ、みたいなのはありますけど。」と話すと、優勝した沖縄尚学の末吉良丞投手については「今年でもドラ1になるんじゃないですか」と最大級の賛辞を送り、「面構えといいますか、ピンチでも表情が変わりませんよね。体はボーンとしていても、あの体はプロに入ったらギュッと絞れます。確実に締まってきますから。変な言い方ですけど、締まりながら大きくなる感じですかね。」と成長のイメージも描いた。

そして、「うちの九州・沖縄地区担当の加藤領健スカウトは、末吉くんが高校1年生の時から何とかしたい、何とかしたいと言っていました。でも、もう完全に全国区というか、優勝しましたからね。」と話し、「スカウトの立場だと心境は複雑なんです。チームとしての頑張りは甲子園出場という形で報われてほしいけど、世に出ないうちに取りたいな、が本音です。」と担当スカウトの心情も察した上で、「それはさておき、末吉くんはスライダーもいいですし、コントロールも間違わない。打たれませんよ。モノが違います。」と更に評価を加えた。来年はドラフト1位指名が有力視される。

山梨学院の菰田陽生選手についても、「関東北信越地区担当の松本輝スカウトからは、入学時の段階で、スケールの大きな1年生が入ってきましたとの報告がありました。当時は力が未知数だったので、体がでかいから、楽しみやなあぐらいでした。ところが、1年たって、これですよ。今年見させていただいて、驚き以外の何ものでもありません。この1年でこれだけの成長を見せられたら、3年生の来年、そしてプロに入ってから、さらには25歳ぐらいになったら、とんでもないピッチャーになる可能性があります。覚えることも含めて時間はかかるでしょうけど、1年の成長のスパンでいうと、楽しみでしかない。一体どこまで、いってしまうんでしょうか。」と話した。

大学生も地元選手に注目

大学生についても話した永井氏は、「市場とすれば、大学生の方が候補は多いです。」と話した。その中で、福岡大大濠出身の明治大・毛利海大投手について「高校では山下舜平大投手の1学年後輩です。一般的な見解ですが、左ですし、12人に入ってくるかも。2巡目までには消えそうです。」と1位、または2位での指名が有力と見ている。

また、侍ジャパン大学代表で副主将としてムードメーカーとなった中央大の繁永晟選手も「福岡の出身ですね。ソフトバンクのジュニアチーム、ホークスジュニアで頑張った選手です。この前まで小学生だったのが、月日がたつのは本当に早いですね。」と話した。

一方で、創価大・立石正広選手について、「右足首の靱帯を痛めていて、秋のリーグ戦にはまだ出ていません。今後の出場機会がどうなるかは別にして、彼も12人に入ってくる選手でしょう。」と話し、「ポジションはセカンドで、サードや外野もできます。DeNAの牧秀悟選手のようなタイプだと見ています。」と評価した。

永井部長が評価する主なドラフト候補選手

選手名 所属 ポジション 評価
3年生
石垣元気 健大高崎 投手 今年の目玉でポテンシャルは間違いない。上位クラスです。140キロ超のカットボールは、もうプロ。
江藤蓮 未来富山 投手 甲子園では力を出せなかったが、チームを初出場に導いた点を評価。大きな体でありながら、制球力もある。大味な感じで、勢いがあって、四球を出して崩れてしまうみたいなタイプではありません。
早瀬朔 神村学園 投手 高校日本代表に選ばれ、地方大会も、この前、沖縄でも見ました。
今岡拓夢 神村学園 遊撃手 高校日本代表に選ばれ、地方大会も、この前、沖縄でも見ました。
2年生
末吉良丞 沖縄尚学 投手 「今年でもドラ1」と絶賛。スライダーもいいですし、コントロールも間違わない。打たれませんよ。モノが違います。
織田翔希 横浜 投手 北九州市出身ですからね。今度は(福岡の)ホークスに帰って来いよ!みたいなのはありますけど。
高部陸 聖隷クリストファー 投手 僕はあのピッチャー、個人的に好きなんです。球の質がいい。まだまだ体が細いですけど、来年もうひと上積みしてくれば、上位候補でしょう。
菰田陽生 山梨学院 投手 驚き以外の何ものでもありません。この1年でこれだけの成長を見せられたら、3年生の来年、そしてプロに入ってから、さらには25歳ぐらいになったら、とんでもないピッチャーになる可能性があります。覚えることも含めて時間はかかるでしょうけど、1年の成長のスパンでいうと、楽しみでしかない。一体どこまで、いってしまうんでしょうか。
古城大翔 花巻東 内野手 面白い。古城くんのお父さんはジャイアンツさん(巨人)でコーチをやられている茂幸さんですね。木製バットで打っていました。今の低反発バットだと、木の方が振り抜きも良くて打球が飛んでいくみたいな考えもあるみたいです。
赤間史弥 花巻東 外野手 面白い選手。木製バットで打っていました。今の低反発バットだと、木の方が振り抜きも良くて打球が飛んでいくみたいな考えもあるみたいです。
大学生
毛利海大 明治大学 投手 明治のエースで、春は6勝しました。高校では山下舜平大投手の1学年後輩です。一般的な見解ですが、左ですし、12人に入ってくるかも、2巡目までには消えそうです。
立石正広 創価大学 内野手 今後の出場機会がどうなるかは別にして、彼も12人に入ってくる選手でしょう。ポジションはセカンドで、サードや外野もできます。DeNAの牧秀悟選手のようなタイプだと見ています。
繁永晟 中央大学 内野手 ソフトバンクのジュニアチーム、ホークスジュニアで頑張った選手です。この前まで小学生だったのが。月日がたつのは本当に早いですね。

育成選手の数・育成を見据えた指名戦略

そして永井部長は、ドラフト戦略の裏側も明かした。福岡ソフトバンクが、支配下ドラフトで指名する選手が毎年多くない理由について、育成選手へのリスペクトがあるからだという。ドラフト候補選手とファームの育成選手を比較して、力が上であれば育成選手を支配下登録したほうがよいとし、大学生のドラフト候補選手であれば、高卒で入ってきた入団3年目や4年目の育成選手と比較をする。そして、難しいのは、力が同等の場合で、「プロの入れてからの伸びしろは絶対にありますから。」と話し、高校生で獲得した選手の伸びしろを評価している。

しかし、「たとえ4、5年後であったとしても、支配下でないと獲得できない素材っているんです。」と話し、前田悠伍投手(2023年ドラフト1位)や村上泰斗投手(2024年ドラフト1位)のように、現在は育成選手の方が力は上でも、将来チームの主戦格になる素材だと判断すれば、将来への期待値を込めて支配下で指名する。

球団の70人という支配下枠の中で、「即戦力」と「将来性」のバランスをどう取るか、「期待値」の選手の枠を増やしてしまうと、長丁場のシーズンを戦う上で不可欠な戦力の枠が減ってしまうとし、「仮に期待値枠を10人にすると、本当の戦力が60人になる。その辺りの考え方、ドラフトの捉え方も球団によってまちまちだと思います。」と話した。

3軍、4軍までのチームを持つ福岡ソフトバンクホークスは、過去10年間で4度のパ・リーグ制覇、そして5度の日本一に輝いている。結果がチームづくりの戦略の答えとしてはっきりと示している。

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この記事を書いた人
yuki

 1996年よりドラフト会議ホームページを解説し、30年間に渡ってドラフト候補選手の分析や12球団のドラフト会議の指名を分析してきました。
 雑誌「野球太郎(http://makyu.yakyutaro.jp/)」にも執筆。
 2008年からはドラフト会議に関する情報を毎日投稿しており、2024年時点で23,000以上の記事書いています。
 また、ドラフト候補の動画とみんなの評価サイト(player.draft-kaigi.jp)では、みなさまがおすすめするドラフト候補選手が、これまでに3万5千人以上登録されておりその評価も行っています。

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