埼玉西武のドラフト指名は、今年の12球団の中で最も予想しやすかった。
左腕投手不足の解消
チーム防御率が長年低迷し、先発では高橋、今井、松本の右3枚に比べ、左が明らかに手薄で、左腕投手の補強が明確なポイントとなっていた。チームも隅田知一郎投手の指名を公表したが、他球団も”そうだろうな”というものだった。
しかし、ドラフト会議では予想以上に動いた。4球団の競合は予想できたが、その中で抽選で獲得し、また2位では左腕投手がいなければ中央大・古賀悠斗選手の指名を予定していたと見られる。しかし、横浜DeNAが左腕投手ではなく徳山壮磨投手を指名すると、佐藤隼輔投手を評価していた北海道日本ハムも高校生内野手の有薗直輝選手、中日も1位でブライト健太選手を獲得し2位で左腕投手の指名も考えられたが、さらに鵜飼航丞選手を指名した。
ドラフト前にセ・リーグの順位が代わり、広島と中日が入れ替わった。広島は西武の直後に森翔平投手を指名しており、佐藤投手と森投手の入れ替わりはあったかもしれないが、ドラフト1位クラスの左腕を2枚獲得することができた。
そして3位でも、捕手に課題のある千葉ロッテ、東北楽天が1位、2位で捕手を指名し、3位ではオリックスも福永奨選手を指名、古賀選手が残る形となった。勇退が報じられている辻監督も「素晴らしい選手を全員取れた。100点満点。満足しています」と笑顔だった。
2017年に田嶋大樹投手を抽選で外し、同じ左の斉藤大将投手をドラフト1位で指名している。2019年には浜屋将太投手、2020年には佐々木健投手を共にドラフト2位で指名している。それでも続く左腕不足に、これでようやく終止符が打てそうだ。
古賀選手の獲得で、FA移籍の可能性が噂される森選手の後継の存在ができた。昨年はポスト山川として渡部選手を1位指名している。来年以降は、同じくFAで移籍する可能性もある源田選手や外崎選手などの後継者を指名しにいける。



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